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緩和ケアチームのご案内

緩和ケアについて

患者さんの身体とこころに生じるつらさ(苦痛)を取り除き、患者さんが自分らしく生きていくための医療を緩和ケアといいます。日本の場合は、がんと後天性免疫不全症候群(AIDS)がその対象となっています。

緩和ケアは、患者さんの苦痛を身体の苦痛だけではなく、社会生活あるいはご家族までを含めた全体として捉え(全人的苦痛=トータルペイン)、サポートしていきます。


患者さんのつらさ

がんにおける緩和ケアは、がんが進行した時期だけではなく、がんと診断された時期から始まり、治療と並行して行います。つらい症状を抱えたままがん治療に向かうより、つらさをやわらげ、がん治療に取り組むことで自分らしく生きることにつながります。

また、治療が難しくなった時でも、何もできないということではなく、つらい症状をやわらげていくことができます。

緩和ケアチームについて

患者さんのもつ全人的苦痛を十分に緩和するためには、医師や看護師だけでは不十分です。そのため多職種の医療従事者が専門性をもってチームとして取り組む、チーム医療が大切です。

緩和ケアにおけるチーム医療

当院では緩和ケアチームがH20年4月より稼働し、下記の多職種メンバーで主治医、病棟看護師と協力してチーム医療を行っております。(H23年4月現在)

  1. 内科医師(緩和ケア医)
  2. 精神神経科医師
  3. 看護師(がん性疼痛看護認定看護師・緩和ケア認定看護師)
  4. 薬剤師(がん薬物療法認定薬剤師)
  5. 麻酔科医師
  6. 整形外科医師
  7. 放射線科医師
  8. 歯科医師
  9. 管理栄養士
  10. メディカルソーシャルワーカー
  11. 看護師(地域医療連携福祉センター)
  12. チャイルド・ライフ・スペシャリスト
北海道大学病院 緩和ケアチーム

緩和ケアチームにご相談いただける内容

下記のようなつらい症状がありましたら、緩和ケアチームにご相談ください

  • からだに生じるつらい症状への対応
    痛み、息苦しさ、吐き気、しびれ、治療に影響を及ぼす症状など
  • こころのケア
    不安、眠れない、気分が落ち込む、いらだち、落ち着かない気持ちなど
  • ご本人、ご家族の気がかりなことへの支援
    今後の生活のこと、患者さんとどのように接したらよいのかわからないなど

H22年度 新規介入時の依頼項目

活動内容

  1. 病室訪問による緩和ケア
  2. 緩和ケアカンファレンス(主治医、病棟看護師との合同カンファレンス)
  3. 緩和ケアチーム回診
  4. 患者さん、ご家族への病状説明への同席
  5. 病棟カンファレンス参加
  6. 腫瘍センターセミナー(研修会)

活動実績

緩和ケアチームでは、小児から老年期に至るまで、幅広い年代の方をサポートさせていただいており、相談終了時は、ご自宅に退院される方が最も多く、次に看取り、転院となります。

H22年度新規依頼患者数

介入終了理由

相談方法

入院中の患者さんとそのご家族が対象で、「つらさ」を緩和することを目的としておりますので、病気の進行程度は問いません。
緩和ケアチームのサポートを希望される方は、入院後、病棟の主治医あるいは看護師にご相談下さい。

緩和ケアチーム相談時の費用

当院では厚生労働省の定める正式な緩和ケアチームの要件を満たしており、開始から中止または退院まで、緩和ケア診療加算が加算されます。ただし、高額医療対象の方は、申請を行っていただければ自己負担額が軽減されます。
(緩和ケア診療加算の費用は1日あたり4,000円×健康保険の自己負担率です。例えば3割負担の場合には、1日あたり4,000円×0.3=1,200円が医療費に加算されます。)


お問い合わせ連絡先

入院前に緩和ケアチームについてご質問がある場合は、下記へご連絡ください。

腫瘍センター 緩和ケアチーム
    Tel 011-716-1161(内線5659)
          電話対応時間 平日13時~17時


緩和ケアチーム・チャイルドライフスペシャリストご挨拶

はじめまして。藤井あけみです。この4月から北海道大学病院でチャイルド・ライフ・スペシャリスト(CLS:Child Life Specialist)として働いています。所属は腫瘍センター緩和ケアチームです。

【これまで現在】

私は1995年~1997年、アメリカのカリフォルニア州にあるMills College大学院でチャイルド・ライフの勉強とトレーニングを積みました。インターン先は、M.D. Anderson Cancer Center、Children's Hospital Oaklandでした。帰国後、名古屋第一赤十字病院、宮城県立こども病院、国立がんセンター中央病院、千葉県こども病院など全国7ヶ所でチャイルド・ライフ・プログラムを開始しました。

北海道では昨年11月から本年3月まで、医療法人手稲渓仁会病院小児NIVセンターにおいて、小児在宅医療を担うチームの一員として勤務しました。同時に、子育て世代のがん患者サロン「さくらんぼ会」を立ち上げ、現在もコーディネーターとして関わっています。

2009年からは九州大学大学院統合新領域学府において非常勤でチャイルド・ライフ・スペシャリスト特論を担当しています。加えて日本チャイルド・ライフ学会会長、子ども療養支援協会副会長、札幌市子どもの権利条例制定市民会議(こどけん)の共同代表、日本死の臨床研究会北海道支部世話人の役割を担っています。

【チャイルド・ライフ・スペシャリストとは】

チャイルド・ライフ・スペシャリストとは、子どもが人生のさまざまな困難に直面する時、子どもの目線に立って、子どもの心に寄り添って、心理社会的援助を提供する専門家です。「病気」は子どもが直面する困難の代表的なものであるため、大多数のチャイルド・ライフ・スペシャリストは医療機関に勤務しています。しかし北米では、近年、児童虐待防止センターや裁判所など病院以外の場所でのチャイルド・ライフ・スペシャリストの業務も増加しています。ただ日本在住の20数名のチャイルド・ライフ・スペシャリストは、病院か教育機関に勤務しています。

小児科病棟におけるチャイルド・ライフ・スペシャリストの業務は、治癒的遊びの援助、プリパレイション(心の準備の提供)、検査・処置・麻酔導入中のサポート、兄弟姉妹への情緒的支援、子どもに優しい環境作り、両親への精神的サポートと多岐に渡ります。

いずれにおいても、子どもが自分の医療体験を肯定的に受けとめることができるように、子どもの気持ちをサポートします。

大人の病棟においても近年、親でありがん患者である方々の心のサポートに関わるチャイルド・ライフ・スペシャリストが増えています。さらに新しい潮流として、小児在宅医療の分野におけるチャイルド・ライフ・スペシャリストの活動も始まっています。

【北海道大学病院において】

現在、おもに二つのタイプの患者さんに関わらせて頂いています。まずは小児科病棟に入院中および外来通院中のお子さんとそのご家族、そしてお子さんを持つがん患者さんです。

小児科病棟でのチャイルド・ライフ・スペシャリストの第一の業務は、遊びを通して子どものストレスを緩和することです。入院中の子どもは大きな不安とストレスに押しつぶされそうになっています。そのような状態では子どもがもともと持っているさまざまな力が発揮できません。そこで遊びによって安心できる空間をつくり、子どもの力が充分発揮できるように支援しています。

環境の変化が消極的なストレスとすると、積極的なストレスというものもあります。それは痛みを与えられることです。注射や手術に代表される医療行為は、不本意ながら子どもの心に衝撃を与えます。痛いだけでもショックですが、その理由がわからないことは苦痛を増します。自分が悪い子だから「罰」として痛いことをされるのだという誤解を生むこともあります。

そこでチャイルド・ライフ・スペシャリストは、子どもが医療行為によって心に傷を負わないように、予防的な支援をします。これをプリパレイション(心理的準備)といいます。

またお母さん、お父さんからの相談にも応じています。お母さん、お父さんが元気で笑顔でいてくださることが子どもにとっては何よりの特効薬です。お母さん、お父さんがお子さんをしっかり支えられるように、わたしも背後から応援したいと思います。

小児科病棟以外で行っているのが、お子さんを持つがん患者さんへの支援です。母であり父であるがん患者さんにとって、子どものことは一番の気がかりです。子どもにとっても、生活と心のより所である親ががんになるということは、人生最大の危機かもしれません。チャイルド・ライフ・スペシャリストはそのような親子に対して個別の相談に応じています。同時に、毎月2回(原則として第2、第4ですが、ときどき変わります)、月曜日の午後2~4時、「わかばカフェ」を外来棟3Fカンファレンスルームにオープンしました。無料ですし、わたしはその時間ずっとそこにいます。患者さんのピアサポートの場としても活用して頂けたらと思っています。どうぞ気軽に遊びにいらしてください。

【現在&これからのお知らせ】

4月より聖公会新聞(03-3235-5681)に「シナモンティをのみながら チャイルド・ライフのおしゃべりいろいろ」というエッセイを連載中です。

9月24日(土)、北海道大学病院医学部学友会館フラテを会場に、第11回日本チャイルド・ライフ学会カンファレンスを開催いたします。
詳細は日本チャイルド・ライフ学会ホームページ(http://claj.miz.jp/)をご覧ください。

【著書など】

著書:『チャイルド・ライフの世界』(新教出版社)、『生きる歓びアゲイン』(共著、医歯薬出版株式会社)、『医療における子どもの人権』(共著、明石書店)、『幸福のレシピ~チャイルド・ライフの世界より~』(新教出版社)、『こどもにやさしい病院』(小学館)

訳書:『いのちの時間』(新教出版社)、『ちっちゃなアレックスと夢のレモネード屋さん』(戎光祥出版株式会社)

TV出演:NHK『クローズアップ現代』(2001/6)、NHK『福祉ネットワーク』(2008/12)、日本テレビ『ニュースZERO』(2009/3)

チャイルド・ライフ・スペシャリストの働き