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神経内科

 日本の人口は着実に高齢化しています。加齢に伴い神経変性疾患、脳血管障害などの神経疾患も増加しています。神経疾患は小児期から高齢者まで原因の異なる多彩な疾患があります。急性疾患から慢性疾患まで、あるいは病院診療から在宅療養まで、神経症状を呈する内科・脳神経外科・整形外科疾患の早期診断に至るまで、神経内科医の活躍の場は益々広がっています。その診断と治療には専門的知識と技量が必須です。そのためには、解剖学と生理学を基礎として体系化された症候学と診断学を習得しなくてはなりません。画像診断や血液検査など補助診断が発達した現在においても、その価値は変わりません。

 北大医学研究科においては神経内科、脳神経外科、精神科の3科が神経病態学講座として組織されて、神経学関係の臨床、卒前教育、研究において相互に交流のあることも特色です。神経内科は神経疾患診療の内科系基幹分野として確立しています。北大神経内科をより詳しく知りたい方は教室のHPを是非ご覧下さい。 北大神経内科HP: http://neurology.med.hokudai.ac.jp/~neuro-w/
 

研修内容と特徴

 神経内科専門医になるためには、最初に内科系の初期研修を行い内科学会認定医の資格を取得する必要があります。内科初期研修は、日本内科学会認定の教育病院もしくは教育関連病院で3年間研修すると翌年に受験することができます。初期研修2年を経て、3年目以降は神経内科専門コースを選択することが可能です。神経内科の研修は日本神経学会認定の教育施設、准教育施設、教育関連施設で研修することが必要です。北海道内の病院で内科系初期研修を希望される方は日本内科学会HPで教育病院、教育関連病院の認定の指定を得ていることを確認してください。将来、北大神経内科とその関連病院で神経内科専門医を目指す方は、北大病院卒後教育センターHPで提示している標準プログラムをお勧めします。研修開始を北大病院、協力病院のいずれにするか、2年間北大病院で研修するかにより3コースの選択肢があります。学外の協力病院で研修する場合は神経内科の開設されている施設で神経内科を選択することも可能です。

 次に、北大神経内科について紹介させて頂きます。外来は予約制で3〜4診察室体制、病棟は脳神経外科と共通です。さらにリハビリテーション科病棟に優先共通床があり、合わせて常時20数名が入院しています。病棟班は病棟医長と研修医複数でチームを編成して、定期的に交代します。入院患者の疾患構成は多様であり、道内専門病院からの紹介入院が増えています。特に、北大病院の充実した検査機能と各診療科の診療協力を必要とする患者の診療が増えています。北大神経内科での研修では神経内科領域の診断および治療について広く学ぶことができますが、そのうち特筆すべきものとしては、1)神経学的診察法の修得とその意義の理解、2)電気生理学的検査、3)脳波検査、4)神経放射線、5)筋病理、6)髄液検査、7)ボトックス療法、8)バクロフェン髄腔内投与療法などがあげられます。電気生理学的検査については、月2回指導医から直接マンツーマン指導を受けることができますし、神経放射線は週1回の脳神経外科および放射線科との合同カンファレンスに出席することにより、確実に読影力を高めることができます。また、当科は筋病理標本を自施設で作製した後に、自ら検鏡し診断するシステムを確立しております。その結果は月1回開催される関連施設を結んだネットカンファレンスにて討議されており、これに参加することで自然と筋病理の知識を身につけることができます。その他、パーキンソン病など薬物コントロール困難な錐体外路系疾患の脳深部刺激療法(DBS)など、脳神経外科と協力して行っています。高次脳機能については神経内科専属の臨床心理士1名がいます。さらに高度な機能評価は医学部保健学科に在籍の神経内科専門医から指導を受けることができます。また、北大神経内科では年1度、難病連や道庁主催の難病検診にも協力しており、教室創設の黎明期より専門医不在地区の神経疾患医療を支援しています。北大病院は北海道全域の最後の砦機能を担っている総合病院としての特殊性から、地域の基幹病院からの紹介も多く、高度な診断技量と診療が求められるケースも稀ではありません。北大神経内科の疾患構成は豊富ですが、その反面としてcommon diseaseの経験症例に偏りが生じます。そこで、関連施設と連携して卒後研修を行うことにより、幅広い総合力を修める体制を構築して運用しています。

 次に、大学院について紹介します。大学院には臨床研究を先攻する“臨床医学コース”、基礎的領域に踏み込んだ研究を専攻する“基盤医学コース”の2コースがあります。4年間の単位履修、レフリー制ある英文専門誌への論文掲載、学位申請論文の作成が必要です。臨床医学コースは専門医研修と同時に行うことが可能な場合、神経内科では卒後4年目から選択可としています。研修協力施設で連携大学院として認定されている施設においては、北大病院で開始した臨床研究を継続しながら学外施設で連携教員の指導のもとに単位取得が可能です。研究課題は各種神経変性疾患、免疫性神経疾患、筋疾患などを対象に、分子遺伝学、神経免疫学、神経生理学、疫学、高次脳機能など様々な研究技法を用いて臨床研究、基礎研究に取り組んでいます。

 最後に、神経内科専門医を基盤として、神経関係のサブスペシャリティー領域の専門医を取得できることもお知らせします。日本頭痛学会、認知症学会、てんかん学会、脳卒中学会、臨床神経生理学会医、人類遺伝学会などでは認定医、専門医、指導医制度を設定しています。神経内科専門医は道内基幹病院より常勤医として派遣要望が続いています。道内では基幹病院常勤医として、在宅・地域医療を担う開業医として、多くの同門が活躍しています。さらに、全国で研究者、指導医、教育者として教室出身者が活躍しています。
 

取得できる専門医・認定医

日本神経学会専門医 日本内科学会認定医・専門医 日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医 日本脳卒中学会専門医 日本認知症学会専門医 日本てんかん学会専門医 日本頭痛学会専門医 日本神経生理学会専門医
 

教育研修施設

旭川赤十字病院 、 釧路労災病院 、 帯広厚生病院 、 北海道医療センター 、北祐会神経内科病院、
市立札幌病院、市立函館病院
 

研修プログラム(フローチャート)

研修プログラム(フローチャート)
 

科長からのメッセージ

 神経内科に関心をもっている方々、あるいは専攻したいとの意欲を持たれている方々に北大神経内科の研修プログラムに参加することを考えて頂ければ嬉しく思います。北大神経内科は、診療のみならず研究、教育に協力し合いながら、道内の神経疾患医療を支えています。北大神経内科では自前で標本を作製して、筋疾患の組織診断を行っています。また各種神経変性疾患はもとより免疫性神経疾患などについて活発に研究を行っています。当教室の詳細につきましては下記HPを是非参照下さい。 北大神経内科では難治性変性疾患のみならず感染症、代謝異常ならびに脳血管障害等のcommon disease含め、多彩な疾患を診療しています。またこれからの神経内科は診断学から治療学が中心となる時代へ向かいます。それに先駆け、新しい治療法にも積極的に取り組んでいます。さらに、道内基幹病院神経内科は病院の機能や診療背景により各々に特色があります。臨床研修では、これらの病院の機能をふまえた研修プログラムを用意しています。この研修後に神経学会専門医を受験できます。歴代受験者の合格率の高さは、臨床経験の豊富さと優秀な指導医に支えられています。もちろん専門医資格を取る傍ら、神経科学に関する基礎研究に参加することを積極的に支援しています。当教室が全国に、そして世界に評価されるような臨床医や研究成果の生まれる場でありたいと願っています。私どもは臨床神経学を志す若い皆さんを歓迎致します。

お問い合わせ

北海道大学病院 臨床研修センター

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