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産科

産科ホームページ
http://www.hucc.hokudai.ac.jp/~e20643/index.htm
http://www.wind.or.jp/index.html

ニコチル調査北海道ユニットセンター
当院はエコチル調査にて札幌における主幹病院です
pdf 妊娠と薬相談外来 (119.9KB)
臨床遺伝子診療部
pdf 遺伝出生前診断外来 (57.6KB)

ご挨拶

 妊娠と分娩は、生まれてくる赤ちゃんにとっては人生の出発点であり、ご両親にとっては、その子の親としての生活が始まる時間です。私たちは、この大切な時間を、妊婦さんとおなかの中の赤ちゃん、ご家族に寄り添い、母児の無事を願い、専門的な知識や技術を提供できることに大きな喜びを感じています。また、合併症をお持ちの方などのハイリスク妊娠の管理や早産あるいは先天異常を持った赤ちゃんなど、専門的な診療が必要な方のご相談についても、望まれる結果が得られるように可能な限りお手伝いいたします。

治療方針

 北大産科・周産母子センターは高次医療施設として、妊娠・分娩・新生児ケアへと連続的な健康管理と支援を行います。そのために、以下の目標を設定しております。

  1. 個人・個人に合った適切な妊娠維持法、適切な分娩時期、適切な分娩法を提案します。
  2. 患者さんの意思を尊重し、安全なお産を目指します。
  3. 赤ちゃんが健康に育つよう効果的かつ最大限のお手伝いをします。

産科グループ、新生児グループの2つの診療グループで、対象とする疾患や状況が違うため、診療の内容は全く異なりますが、ともに、最新の知識を共有し、医療技術を高めて、各専門分野で最善の医療を提供できるように努めます。

診療分野

  • 一般産科外来(産科妊婦外来、産科特殊健診外来)
  • 遺伝・出生前診断外来
  • 胎児心エコー外来
  • 産後・避妊外来
  • 新生児一ヶ月健診外来

診療時間

 月曜日~金曜日までの午前中(午前8時30分から正午まで)に初診の受付をしています。ただし、産科の医師が初診を担当しているのは火曜日(水上尚典教授)と金曜日(森川守講師、山田崇弘特任講師が隔週交代)のみです。それ以外の曜日に初めて受診いただいた場合にはお待ちいただく時間が大幅に長くなる可能性がありますので可能な限り火曜日か金曜日の受診をお勧め致します。
 
 2回目以降の受診は、初診時に、一般外来もしくは専門外来を予約します。また、遺伝・出生前診断外来、胎児心エコー外来は初めての受診であっても完全予約制ですので受診前に直接産科外来(011-706-5678)にお電話をいただきますようお願いいたします。

概要

診療体制

 産科病棟と併設の周産母子センターは、産科の一般病床と新生児室、新生児集中治療室からなります。ここで、妊婦さん担当の産科医(産科グループ)12名、新生児担当の小児科医(新生児グループ)6名の計18名の医師が、数名の初期研修医とともに、妊娠・分娩管理にあたります。ハイリスク妊娠の妊婦さん、小さく生まれた赤ちゃんや専門的な治療を要する赤ちゃんの診療はもちろんですが、特別なリスクのない方の妊娠・分娩管理にも積極的に取り組んでいます。北海道内各地の産婦人科施設から多くの妊婦さん、妊娠希望の方が紹介されます。また、紹介ではなく、北大病院での分娩を希望されて受診される方もいます。経腟分娩では、個室での夫立ち会いも行っています。分娩の際には、助産師のほか、必ず産婦人科医師と小児科医師が立ち会い、産婦さんと赤ちゃんの安全を守ります。さらに今後は大学病院であってもより快適な妊娠分娩をしていただける様な取り組みを行っております。
 個々の患者さんに対する治療方針については、毎朝の産科ミーティングや毎週月曜日にNICUと共に行う周産期カンファレンスで詳細に検討しています.また、新生児期に治療が必要なケースについては産科とNICUに加えて小児外科や循環器外科といった多診療科が参加する合同カンファレンスを開催することもあります。さらに、前置癒着胎盤をはじめとした母体の危険性が高いケースでは泌尿器科、婦人科、放射線科、麻酔科などと連携して準備を進めています。
 このように、北大産科では主治医制でないグループ診療体制でセーフティーネットを確保すると同時に他の診療科と連携した妊婦さんと赤ちゃんの安全性を確保した診療体制を構築しています。

一般産科(産科妊婦外来:月水木、産科特殊健診外来:月水木)

 高次医療施設として担っているハイリスク妊娠/分娩だけでなく、特別なリスクのない通常の妊娠分娩も積極的に扱います。
 
 産科婦人科専門医の資格をもつ医師が妊婦外来を担当し、妊婦健診毎に超音波検査で胎児の発育を確認、切迫早産の有無をチェックします。また、妊娠10ヶ月からは毎週胎児心拍モニタリング検査を加えて胎児の状態をより頻回に評価します。これらは、早産の予防と、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、胎児異常などの早期診断につながっています。外来に併設される母親学級では、助産師が妊娠・分娩・育児に関するご相談にお答えします。産科病棟には、LDR(陣痛開始から分娩までの時間を過ごすことのできる個室)が2つありますので、可能な方には夫立ち会い分娩をお勧めしています。すべてのお産に産科医と新生児担当医が立ち会い、安全に分娩が進むようにサポートします。

ハイリスク妊娠(産科妊婦外来:月水木、産科特殊健診外来:月水木)

 早産や妊娠高血圧症候群、多胎妊娠、合併症妊娠、習慣流産などのために妊婦・新生児の高度な医療を要する方、他の診療科との連携が必要な方が、地域の医療機関から数多く紹介されます。ハイリスク妊娠では、重要な診療方針の決定の際には、産科医、新生児担当医、助産師はもちろん、関連する診療科の医師を含めた合同カンファレンスをもち、ご本人・ご家族に適切な情報提供ができるように努めています。分娩の約1割が多胎妊娠、約1割は胎児異常のための紹介であり、このため、早産期や帝王切開の分娩が多いという特徴があります。超低出生体重児の分娩、前置癒着胎盤の帝王切開、高度生殖医療による妊娠の分娩管理など、大学病院に期待される高度な周産期医療を12名の産科医と6名の新生児担当医、数名の初期研修医、そして看護スタッフが力を合わせて担っています。
 北大病院産科・周産母子センターでは平成25年7月に母体・胎児集中治療室 (Maternal-Fetal Intensive Care Unit; MFICU)開設しました。MFICUとは、合併症妊娠(妊娠高血圧症候群、多胎妊娠、切迫早産など)や、胎児異常(超低出生体重児、先天性胎児形態異常など)の可能性があるリスクの高い妊婦さんまたは子宮内の赤ちゃんに対して、妊娠期間中に高度な医療を行うための集中治療設備です。すなわち、妊婦さんへの高度な産科医療を提供し、生まれた後の赤ちゃんに対する新生児救急医療への安全な橋渡しをする役割を担っている設備です。そのため、高度な医療が提供できる器材と設備、ハイリスク妊娠に対応できるような医療スタッフの配置、緊急時の病院内外の連携体制などの基準が定められています。

産科診療における超音波検査について

 妊婦健診の際には妊娠が順調に経過しているかどうかを妊婦さんと赤ちゃんについてみていきます。その方法のひとつとして赤ちゃんの発育状況の観察と異常の早期発見のために広く用いられているのが超音波検査です。この超音波検査には「通常超音波検査」と「胎児超音波検査」があります。「胎児超音波検査」は赤ちゃんに形態的な先天異常がないかどうかを積極的に調べて行くことを目的とする為に「通常超音波検査」とは異なります。

1.「通常超音波検査」の基本的な意義と特徴

 「通常超音波検査」は妊婦さんにも赤ちゃんにも安全に実施できる検査で、主に「赤ちゃんの発育の状態の把握」と「赤ちゃんが元気でいるかどうか」という点について調べます。
 これらの目的の為に赤ちゃんの生死、多胎かどうか、発育の状態、胎位(頭が下なのか、逆子なのか)、胎盤の位置、羊水の量、お母さんの子宮や卵巣に異常がないか、などの確認を行います。推定児体重を計測するときもあります。こうして赤ちゃんの状態を把握することで、気になることがあれば早めに対応できるようになります。しかし、「通常超音波検査」の際に偶発的に赤ちゃんの形態異常が発見されることがあります。多くの赤ちゃんは元気に異常なく生まれてきます。しかしながら、中には生まれながらに病気を持つ赤ちゃんがいます。その病気のうち超音波などの画像上や産まれた際に外表的に異常が有る場合を先天性形態異常(約3−5%)と言います。先天性形態異常の種類はとても多く、また重症なものから医学的には問題のない(個性の範囲)軽微なものまで程度も様々です。現在の医療水準では治療困難なものもありますが、病気の種類によっては胎児期に診断されていると出生後(もしくは胎児期から)にスムーズに治療を開始でき、その子にとってよりよい結果が期待できる病気もあります。
 子宮や胎児は妊娠期間を通じ変化していきます。妊娠初期に分からなかったものが妊娠中期や後期になると分かってくることもあります。したがって、適切な時期に検査を行い判断する必要があります。
 
※「通常超音波検査」の結果のご説明について

  1. 胎児形態異常以外の結果について
     超音波検査結果情報の一部(羊水量、胎盤位置、胎位、胎児発育の程度など)に関しては、特別に申し出がないかぎり、それらの異常を発見した場合、お知らせ致します。
  2. 超音波検査で偶然みつかる赤ちゃんの状態について
     通常超音波検査で妊娠初期の赤ちゃんを見ていますと、明らかな赤ちゃんの形態異常がみつかることもありますが、それとは別に、“はっきりと異常とは言えないが、赤ちゃんの状態が少し気になるとか、異常が潜んでいるかもしれない”状態が偶然見つかることがあります。こうした状態は、赤ちゃんに染色体異常がある、あるいは赤ちゃんがその他の(心臓や腎臓などの)病気にかかっているなどの“可能性が普通よりはより高くなる”ということを意味します。しかし、はっきりとした異常ではないので、ほとんどは健常な赤ちゃんとして出生します。こうした状態で見つかった場合に、妊婦さんはそれを知ることで正確な診断のために詳しい検査をできる一方で、はっきりした異常ではないのにそれを知ったために詳しい検査を受ける負担が増えたり、赤ちゃんの状態への不安が大きくなったりする事もあります。
     患者さんには、検査を受けない権利、検査を受けても結果を聞かない権利がありますので、超音波検査で“はっきりしないが、赤ちゃんの異常につながるかもしれない状態や”“担当医として気になる異常かどうかはわからない状態”が通常の妊婦健診の際に偶然にみつかった場合に、そのことをお知りになりたいかどうかをあらかじめお聞かせください。また、積極的に赤ちゃんの形態を確認する事についてもご希望がない場合にはその旨をあらかじめお聞かせください(産科特殊健診外来初期で確認させていただきます)

2.「胎児超音波検査」の基本的な意義と特徴

 妊婦健診の際に赤ちゃんが形態的な先天異常を持っているかどうかを積極的に調べて行く事を希望される方に対しては二通りの方法があります。一つは後述する様な専門外来で時間をかけて詳細に観察して行く方法で、もう一つは妊婦健診の際に少しずつ確認して行く方法です。前者では時間をかけて詳細に見る事が可能なので1〜2回で多くのチェックポイントを見て行く事が可能になります(この方法をとるのが後述の遺伝出生前診断外来における「胎児超音波検査」です)。後者では妊婦健診の際に同時に行う為に一度に少しずつチェックをして行くことになりますが、短時間で行われることや妊婦健診における超音波の主たる目的は上述の「通常超音波検査」であるため精度は劣ります。その中には妊娠22週〜30週頃に行われるSTIC法による胎児心臓スクリーニング(三次元動画を用いた胎児心臓スクリーニング)も含まれます。

胎児先天性疾患の診断(pdf 遺伝出生前診断外来 (57.6KB):火水木、胎児心エコー外来:火木)

 通常の健診とは別に上記の「胎児超音波検査」として時間をかけて赤ちゃんに異常がないかを詳細に診て欲しいというご希望のある方には健診とは別の自費診療(おおまかな料金は担当医あるいは外来クラーク/助産師にお尋ねください)で遺伝出生前診断外来において「胎児超音波検査」を原則妊娠22週以降に受けていただくことが出来ます。完全予約制ですので、ご希望の方は健診担当医にお申し出ください。胎児の先天性疾患は全妊娠の3-5%に出現するといわれていますが、胎児異常の子宮内での診断はしばしば困難です。そこで、以下の点をあらかじめご了承いただいた上で実施させていただいております。

  1. 実際に生まれた赤ちゃんを診断するのとは異なり、子宮の中の赤ちゃんに外から超音波をあてて、画像としてみえるようにしたり、各臓器の働きを数値化したりしています。間接的な情報による診断ですので、超音波検査の診断は絶対確実とまでは言えません。さらに、胎内での形態異常の診断や重症度の評価は、出生後に評価する場合に比べて、より難しいとされています。
  2. 赤ちゃんの位置や向き、胎盤の位置などもさまざまな条件により、赤ちゃんに異常があってもわからないことがあります。また、妊娠週数の経過に伴い胎児形態の見え方が変化する、といったこともあります。
  3. 性別の診断も同様で、見えた形から判断しますので、赤ちゃんの位置や向き、発達のちがい等によりわかりにくい場合や産まれたら異なっていたということがありえます。
  4. 超音波であらゆる胎児異常が正確に診断出来るわけではありません。また、出生前に胎児が完全に正常であると診断することも出来ません。超音波検査は形を見て判断する検査です。そのため、形の異常が明らかでない病気を見つけるのは困難です。たとえば、染色体の数異常による病気(ダウン症候群など)は、超音波検査のみで診断を確定することはできません。また、血友病や先天性筋ジストロフィーなど形態異常を示さない疾患も多くあり、そう言った疾患は超音波検査では見つけることができません。最終的には、出生後に行われる新生児医による診察が必要です。

 一方、上記の「胎児超音波検査」を妊娠初期から妊娠21週までにご希望の場合や次項に記載した様な胎児の染色体異常の非確定検査として妊娠11週から妊娠13週の間に超音波で胎児項部浮腫(Nuchal translucency:NT)の評価などをご希望あるいは考慮されている方はpdf 遺伝出生前診断外来 (57.6KB)においてまずは遺伝カウンセリングを受けていただきます。
 
 妊娠22週以降に胎児の心臓に特化した詳細な超音波検査をご希望の方は木曜日の胎児心エコー外来(武井医師)を受診していただきます。ここでは赤ちゃんの心臓病について詳しい検査を行い、出生前から病気や治療についてご両親に知って頂くとともに、重症の心臓病を持った赤ちゃんが出生後により安全で良い治療が受けられるように準備をさせて頂きます。この外来は「通常超音波検査」の結果所見があった場合や他の病院で心臓の疾患を指摘された場合に詳しく検査する為に受診していただく場合(保険診療)や遺伝出生前診断外来で行った超音波検査の結果受診を提案させていただく場合(保険診療)が多いですが、強い御希望がある場合(自費診療)にも受診が可能ですのでご希望の方は担当医にお申し出ください。情報提供についてはそのご意思に沿って対応させていただきます。
 
pdf 遺伝出生前診断外来 (57.6KB)と胎児心エコー外来は完全予約制で実施しておりますので、直接ご連絡をお待ちしております(産科外来:011-706-5678)
 
 三次施設である北海道大学病院産科では他の病院において胎児になんらかの異常がある可能性を疑われ、ご紹介頂く機会が多くあります。こういった場合には超音波における精査に加えて、必要に応じてMRI断層法、場合によってはCTスキャンなどによる診断を併用します。先天性の心疾患・消化器疾患・腎泌尿器疾患、神経疾患、骨系統疾患など数多くの疾患を診断/管理/治療しております。高度に専門的な知識や経験が必要であることが多く、大学病院ならではの専門性を生かして各疾患に応じた情報を収集します。特に骨系統疾患や難治性脳形成障害といった疾患については外部機関とのネットワークを生かした最新の情報収集/遠隔診断のコンサルテーションを行うしくみもあり、最新の情報に基づいた準備を行っています。各疾患の専門診療科(小児科、小児外科、泌尿器科、脳神経外科、形成外科、他様々な診療科)と連携し、出生前から出生後の新生児治療まで連続性のある診断・治療を行っています。
 
 近年、出生前に診断された疾患に対して胎児治療という選択肢が少しずつ実現してきています。例えば双胎間輸血症候群に対する胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術や無心体双胎妊娠に対する超音波ガイド下ラジオ波焼灼術、胎児胸水、先天性肺嚢胞性腺腫様奇形や胎児巨大膀胱に対するシャント術、胎児貧血に対する胎児輸血療法、胎児心ブロックに対する心不全予防、胎児頻脈性不整脈に対する経胎盤的抗不整脈薬投与療法なども実施しています。

遺伝カウンセリングと出生前診断(pdf 遺伝出生前診断外来 (57.6KB):火水木)

 北大産科では臨床遺伝子診療部と連携して遺伝カウンセリングを実施しています。産科/周産期領域だけに限らず様々な遺伝に関わるご相談や出生前の染色体あるいは遺伝子診断を考慮されている方のご相談に対し、日本人類遺伝学会・日本遺伝カウンセリング学会が定める臨床遺伝専門医と認定遺伝カウンセラーが完全予約制のもとで十分時間をかけて対応します。出生前診断においては日本医学会の定める「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」と日本産科婦人科学会の定める「出生前に行われる遺伝学的検査および診断に関する見解」を遵守して実施しています。出生前染色体診断を考慮した場合には非確定検査と確定検査があります。羊水検査や絨毛検査といった確定検査の実施要件としては

  1. 夫婦のいずれかが、染色体異常の保因者である場合
  2. 染色体異常症に罹患した児を妊娠、分娩した既往を有する場合
  3. 高齢妊娠の場合
  4. 妊婦が新生児期もしくは小児期に発症する重篤なX連鎖遺伝病のヘテロ接合体の場合
  5. 夫婦の両者が、新生児期もしくは小児期に発症する重篤な常染色体劣性遺伝病のヘテロ接合体の場合
  6. 夫婦の一方もしくは両者が、新生児期もしくは小児期に発症する重篤な常染色体優性遺伝病のヘテロ接合体の場合
  7. その他、胎児が重篤な疾患に罹患する可能性のある場合(非確定検査においてハイリスクとなった場合など)

とされています。
 出生前診断に関する遺伝カウンセリングでは様々な選択肢を提供していますが、妊娠週数の進行と共に提案出来る選択肢が少なくなるため妊娠12~13週には来院されることをお勧め致します。まず、非確定的検査(確率を評価する検査)として妊娠初期超音波スクリーニング(妊娠11週0日~13週6日)、母体血清マーカー(妊娠15週0日以降)、超音波と母体血清マーカーの組み合わせ検査(妊娠11週0日~13週6日)といった検査や母体血中胎児DNAを用いた無侵襲的出生前遺伝学的検査(Noninvasive prenatal genetic testing) (妊娠10週0日以降)があります(http://www.nipt.jp)。また確定検査にも複数のオプションがあります。絨毛検査は妊娠12週ころに、羊水検査は妊娠16週ころに実施し2~3週後に胎児染色体核型が判明します。
 妊娠中に超音波などで胎児に異常が見られ絨毛・羊水染色体検査が行われた結果、予想に反して正常である場合があります。また、通常の染色体検査では判別不明な構造異常が疑われる場合もあります。そのような場合に遺伝カウンセリングの中でSNPマイクロアレイ検査というものを提案することがあります。これは、高解像度の染色体検査とも言われ、精度の高い遺伝情報が得られるため正確な胎児の病態把握が可能になる可能性があります。実際、この検査により、画像診断で異常所見があり、染色体検査で異常のない胎児の15-25%に遺伝子異常を見出すことができると言われています。しかし、一方では意義のはっきりしない遺伝子の変化が検出されることもあり、より高度の遺伝カウンセリングが必要とされます。こういた先進的な方法も併用した出生前診断を実施しています。
 一方、ある特定の疾患を対象にした出生前遺伝子診断は十分な遺伝カウンセリングを行い臨床遺伝子診療部の討議を経て倫理委員会の承認を得た上で行います。対象は上記の確定検査実施の要件の中にある

  1. 妊婦が新生児期もしくは小児期に発症する重篤なX連鎖遺伝病のヘテロ接合体の場合
  2. 夫婦の両者が、新生児期もしくは小児期に発症する重篤な常染色体劣性遺伝病のヘテロ接合体の場合
  3. 夫婦の一方もしくは両者が、新生児期もしくは小児期に発症する重篤な常染色体優性遺伝病のヘテロ接合体の場合

であり、これまで数多くの疾患について行った実績があります。手続きに時間がかかることも多く、妊娠されてからいらっしゃるのではなく妊娠前に遺伝カウンセリングにいらっしゃることをお勧め致します。
 遺伝カウンセリングの中で私たちとお話をしただけで検査自体はされずに終了となる方もたくさんおられます。来院前に得られる限られた情報の中で意思を決めて来院するのではなく、まずはご夫婦で来ていただき、時間をかけた遺伝カウンセリングの中で一緒に考えて行くことから始めましょう。
 先天性疾患をお持ちの赤ちゃんが生まれた後や流産の後の遺伝カウンセリングも大切にしています。赤ちゃんが生まれた後で各疾患の専門診療科(小児科、小児外科、泌尿器科、脳神経外科、形成外科、他様々な診療科)と連携し、きちんとした診断をつけ、次回の妊娠を見通した遺伝カウンセリングを実施しています。
 完全予約制で実施しておりますので、直接ご連絡をお待ちしております(産科外来:011-706-5678 pdf 遺伝出生前診断外来 (57.6KB))。また、産科/周産期以外のご相談ではまず臨床遺伝子診療部(011-706-7056)にお電話をいただけますようお願い致します。

産後管理(産後・避妊外来:金)

 産後外来では通常の子宮復古を確認するだけではなく、将来にわたる女性の健康のための管理と治療をおこなっています。高血圧や妊娠糖尿病などのフォローアップの他に、子宮癌検診(産後1ヶ月健診時)を行っています。そして、他科での治療が必要な場合には当院または近医へご紹介致しております。
 家族計画として、次回の妊娠へ向けての相談、避妊指導(低用量ピル、子宮内避妊具装着)などをおこなっています。また、当院婦人科不妊症グループでの不妊症治療(特に体外受精)を受け次回妊娠も同様の治療希望の場合には当院婦人科不妊症グループへの再受診をして頂いております。

新生児医療(新生児一ヶ月健診外来:金、小児科新生児外来)

 新生児部門は平成21年5月に病床を拡充・再編して、NICU(新生児集中治療病床)9床、GCU(growing care unit,新生児後方病床)11床、新生児室3床(平成25年4月〜4床)の合計23床となりました。NICUでは、出生体重1500g未満の極低出生体重児や生後間もなく手術治療を必要とする新生児などの、集中治療を必要とする赤ちゃんのお世話をします。NICUでの集中治療を終えたけれども、退院まではまだ時間が必要な赤ちゃんはGCUでお世話をします。NICUとGCUでは、集中治療を必要とする赤ちゃんの救命のみならず、カンガルー・ケアなどのディベロップメンタル・ケアを積極的に導入しています。新生児室では、健康に生まれた赤ちゃんのお世話や、御家族への沐浴指導などを行っています。
 また、母児同室開始の前後に新生児医による診察と超音波検査(脳、心臓、腎臓など)を行っております。
カンガルー・ケア:小さな赤ちゃんでも、保育器から出てお母さんと直接の皮膚と皮膚の接触をしてもらうケア

担当医師

産科/周産母子センター(産科・生殖医学分野/総合女性医療システム学講座)(産科)

職名 氏名 専門分野/担当外来 所属学会・指導医・認定医など
教授 水上 尚典 産科全般/初診外来 日本産科婦人科学会産婦人科専門医/指導医
日本周産期・新生児医学会(母体・胎児)暫定指導医
講師(診療准教授)
 
森川 守 周産期医学
胎児医療
胎児超音波診断/初診外来
妊婦健診外来
日本産科婦人科学会産婦人科専門医/指導医
日本周産期・新生児医学会(母体・胎児)専門医/指導医
母体保護法指定医
日本周産期新生児医学会新生児蘇生法専門コースインストラクター
特任講師
(外来医長)
山田 崇弘 周産期医学
出生前診断
胎児超音波診断
臨床遺伝学
分子細胞遺伝学/初診外来
特殊健診外来(初期)
遺伝・出生前診断外来
日本産科婦人科学会産婦人科専門医/指導医
日本周産期・新生児医学会(母体・胎児)専門医/指導医
日本人類遺伝学会・日本遺伝カウンセリング学会臨床遺伝専門医/指導医
母体保護法指定医
日本周産期新生児医学会新生児蘇生法専門コースインストラクター(Quality Manager)
FMF認定胎児超音波専門医(NT,NB,TR,DV,FA)
助教
(病棟医長)
石川 聡司 周産期医学
特殊健診外来(後期)
日本産科婦人科学会産婦人科専門医
助教 小島 崇史 周産期医学
出生前診断
臨床遺伝学/妊婦健診外来
遺伝・出生前診断外来
産後外来
日本産科婦人科学会産婦人科専門医
日本周産期・新生児医学会(母体・胎児)専門医
日本人類遺伝学会・日本遺伝カウンセリング学会臨床遺伝専門医
FMF認定胎児超音波専門医(NT,NB,TR,DV,FA)
日本周産期新生児医学会新生児蘇生法専門コースインストラクター
助教 千葉 健太郎 周産期医学/妊婦健診外来
産後外来
日本産科婦人科学会産婦人科専門医
助教 荒木 直人 産婦人科
医員
(大学院生)
馬詰 武 周産期医学
胎児超音波診断/妊婦健診外来
産後外来
日本産科婦人科学会産婦人科専門医
FMF認定胎児超音波専門医(NT,NB,TR,DV,FA)
医員 中川 絹子 産婦人科 日本産科婦人科学会産婦人科専門医
医員 細川 亜美 産婦人科 日本産科婦人科学会産婦人科専門医
医員 金川 明功 産婦人科

産科/周産母子センター(産科・生殖医学分野)(新生児)

職名 氏名 専門分野/担当外来 所属学会・指導医・認定医など
准教授
(診療教授)
長 和俊 新生児医学
臨床遺伝学/新生児一ヶ月健診外来
日本小児科学会小児科専門医
日本人類遺伝学会日本遺伝カウンセリング学会臨床遺伝専門医
日本周産期・新生児医学会(新生児)専門医
日本周産期新生児医学会新生児蘇生法専門コースインストラクター(Quality Manager)
Infection Control Doctor
助教 秋元 琢真 新生児医学 日本小児科学会小児科専門医
日本人類遺伝学会・日本遺伝カウンセリング学会臨床遺伝専門医
日本周産期新生児医学会新生児蘇生法専門コースインストラクター
医員
(大学院生)
早坂 格 新生児医学 日本小児科学会小児科専門医
日本周産期新生児医学会新生児蘇生法専門コースインストラクター
医員
(大学院生)
夘月 ゆたか 新生児医学 日本小児科学会小児科専門医
医員
(大学院生)
池田 雅彦 新生児医学 日本小児科学会小児科専門医

診療実績

分娩:平成23年1月〜12月(胎児数)

全分娩 329
正常分娩 27
異常分娩 302
早産 62(妊娠22週~27週:10、28週~35週:35、36週:17)
帝王切開 141
合併症妊娠・ハイリスク妊娠 のべ179(母体)

外来:平成23年1月〜12月(延べ人数)

産科妊婦健診外来 2554
産科特殊健診外来 721
産後・避妊外来 852
不育症外来 1314
遺伝・出生前診断外来 299
妊婦超音波外来 22

その他

出生前染色体検査 47例(羊水穿刺21例、絨毛採取26例)
胎児治療 5症例、8回
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