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脳神経外科

脳神経外科ホームページ
http://www.neurosurgery-hokudai.jp/

ごあいさつ

 北海道大学病院脳神経外科では、「個人の医師としての能力のみならずチームとしての医師の能力を高め、日本の中でリーダーシップを担い、さらに北海道の中で高水準の医療を提供していく」という基本理念のもと、診療科の開設以来、脳、脊髄、末梢神経といった全ての神経系疾患を対象として診療しています。
 北海道大学病院脳神経外科では、良質な医療を提供するために総回診や術前・術後検討を行い治療方針や手術方法の検討・検証を行っています。すぐれた医療人の育成のためにチーフレジデント制度を採用し、屋根瓦方式の教育を行っています。そして先進的な医療の開発と提供のために多くの臨床試験や治験に参加しています。
 

診療体制

 北海道大学病院脳神経外科では、11名のスタッフと10名あまりの医員・研修医にて、年間のべ約10,000名の外来患者、また40床のベッド数で年間約500名の入院患者の治療に当っています。1年間の総手術数は、手術、血管内手術をあわせて約350件です。
 診療班は脳血管障害班(脳動脈瘤、脳梗塞、もやもや病、脳動静脈奇形 等)、脳腫瘍班(グリオーマ、髄膜腫、聴神経腫瘍、下垂体腫瘍 等)、脊髄・機能外科班(頚椎症、脊髄腫瘍、本態性振戦、パーキンソン病 難治性てんかん 等)に分かれており各々が最先端の治療を行っています。

疾患担当医師

職名 氏名 専門分野 所属学会・指導医・認定医など
教授 宝金 清博 脳血管障害 日本脳神経外科専門医
日本脳卒中専門医
准教授
(診療科長)
寺坂 俊介 脳腫瘍 日本脳神経外科専門医
講師 中山 若樹 脳血管障害 日本脳神経外科専門医
日本脳卒中専門医
講師 小林 浩之 脳腫瘍 日本脳神経外科専門医
日本神経内視鏡技術認定医
がん薬物治療認定医
講師 数又 研 脳血管障害 日本脳神経外科専門医
日本脳卒中専門医
診療講師 鐙谷 武雄 脳血管障害 日本脳神経外科専門医
日本脳卒中専門医
診療講師 関 俊隆 脊椎脊髄疾患,末梢神経疾患,
機能的脳神経外科
日本脳神経外科専門医
日本脊髄外科学会認定医・指導医
外来医長
(助教)
長内 俊也 脳血管障害 日本脳神経外科専門医
日本脳卒中専門医
日本脳血管内治療指導医
助教 笹森 徹 脊椎脊髄疾患,末梢神経疾患,
機能的脳神経外科
日本脳神経外科専門医
日本脊髄外学会認定医
日本脳卒中専門医
定位機能外科技術認定医
病棟医長
(助教)
山口 秀 脳腫瘍 日本脳神経外科専門医
がん薬物治療認定医
特任助教 茂木 洋晃 脳腫瘍 本脳神経外科専門医
がん薬物治療認定医
特任助教 川堀 真人 脳血管障害 日本脳神経外科専門医・指導医
日本脳卒中専門医
 

受診方法

 北海道大学病院脳神経外科では紹介状のない新来患者さんを受付けていますが、受診予約は必要です。患者さんご本人が電話で予約を取る場合は011-706-7733に電話し上記診療班の新患予約を取ってください。予約の受付時間は朝9時から16時までです。現在受診中の医療機関がある場合は医療機関を通しての予約も可能です。
 セカンドオピニオン外来を木曜日の午前中に開設します。希望があれば011-706-6037へお問い合わせください。なおセカンドオピニオン外来は自由診療となり健康保険の対象にはなりません。また医療事故・訴訟等に関する内容の場合には対象にならないことがあります。
 脳神経外科では特殊外来を開設しています。カテーテルで脳動脈瘤等を治療する「血管内治療外来」は毎週金曜日の午前、小児の頭蓋奇形・変形を診る「クラニオ外来」は第一火曜日の午後1時から3時となっています。また、現在核医学診療科と合同で行われている脳腫瘍に対するPET検査の臨床試験用の専用外来を毎週火曜日午前に解説しています。特殊外来受診を希望される方は予約の際にお申し出ください。
 一般外来診療日は毎週月~金曜日となっています。受付時間は初診午前 8時30分~午前 12時、再診午前 8時30分~午前 11時です。

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外来担当表

診察室
午前 1 川堀
血管疾患
笹森
脊髄・機能新患
休診 血管新患 長内
血管内治療新患
2 茂木
腫瘍新患

脊髄・機能新患
鐙谷 鐙谷
3 小林
腫瘍新患
数又
血管新患
数又
4 中山
血管新患
中山
血管新患
小林
腫瘍新患
5 寺坂 寺坂
セカンドオピニオン
6
脊髄・機能新患
宝金 山口
7 内野
血管新患
山口
PET新患
午後 4 中山
クラニオ:
第1火曜日
腫瘍新患
5 腫瘍新患
7

 

診療班の重点疾患

脳血管障害班


 血管外科グループでは特に未破裂脳動脈瘤、脳動静脈奇形、もやもや病の治療に力を入れています。未破裂脳動脈瘤と脳動静脈奇形は中山講師、もやもや病は数又講師が中心となって診断と治療を行っています。

≪未破裂脳動脈瘤≫

 脳動脈瘤が発見された患者さんには、まずは、じっくりと説明させていただき、時間をかけて考えてもらうことを重視しています。個々の患者さんごとに、動脈瘤のサイズや形状、部位などの条件をきめ細かく精査したうえで、治療の必要性とリスクを深く理解していただき、方針を一緒に考えていくことを大切にしています。

図1: 脳動脈瘤クリッピング(図左=前交通動脈瘤、図右=左内頚動脈-後交通動脈分岐部動脈瘤)

 通常の動脈瘤は、その特性に応じて、開頭手術か血管内手術かを選択して治療します。開頭手術の場合は、クリッピング術が基本的な治療法になります。一口にクリッピングと言っても、動脈瘤の形状は非常に複雑です。正常血管をしっかりと温存しながら、動脈瘤を裾野までより完全に消滅させて高い根治性を得るために、どのような形状のクリップをどの方向で幾つ使って処置するか、そこに深い拘りをもって行っています(図1)。


図2: 椎骨動脈の部分血栓化巨大動脈瘤(図左上の矢印)。前腕から橈骨動脈を採取して中大脳動脈(図右上)と後大脳動脈(図左下)との間に橋渡しバイパスを施し、動脈瘤の上下をクリップ閉鎖した(図右下)。

図3: 内頚動脈の巨大動脈瘤(図左上)。橈骨動脈による外頸動脈-中大脳動脈グラフトバイパスを施し(図右上)、術中蛍光血管造影で血流を確認した後(図左下)、動脈瘤をクリップ形成した(図右下)。

 動脈瘤には、巨大なサイズや部分血栓化など、通常のクリッピングやカテーテルでは治療できないものも存在します。こうした場合は、頭皮の血管や腕の血管などを用いたバイパス術と組み合わせることで治療を実現します(図2)。手術の確実性と安全性を高めるために、術中顕微鏡下蛍光血管造影など様々な機器を駆使しています(図3)。手術台と血管撮影X線装置とが組み合わさったハイブリッド手術室の活用も、手術のバリエーションを広げています(図4)。

図4: 手術台と血管造影X線装置を融合させたHybrid手術室。


≪脳動静脈奇形≫
 脳動静脈奇形も、破裂した場合にはクモ膜下出血や脳内出血に至る疾患です、疾患自体の発生頻度は動脈瘤よりも少ないですが、実は破裂率は一般的な脳動脈瘤よりも数倍高いことが示されています。破裂の予測ができないことは脳動脈瘤と同様であり、摘出手術を行うか経過観察するか、或いは放射線治療の選択肢はどうなのか、これもしっかりと精査吟味したうえで、患者さんとじっくりと話し合い、方針を見定めていくことを大切にしています。

 近年、手術道具の発達と技術の進歩、および術前血管内塞栓術の活用などによって、脳動静脈奇形手術の安全性と確実性は飛躍的に向上しました。我々はとくに、極力無血でコントロールしつつ精彩に境界の剥離を完遂することに努めています。
 しかし、脳動静脈奇形の部位や特性は様々であり、特に脳の重要な機能を担う部分に隣接した病変の場合は、術前の慎重かつ精細な検討が重要になってきます。脳の神経連絡路を示すMR-tractographyや脳の活動部位を示すfunctional MRI、脳磁図(MEG)などを駆使して、綿密に術前計画を練って臨んでいます(図5)。
 

図5: 脳動静脈奇形の摘出術(図左上)に際しては、術前のMR-tractography(図右上)やfunctional-MRI(図左下)、脳磁図(図右下)などによる脳の機能的部位との位置関係を綿密に評価している。

≪もやもや病≫
 もやもや病は1950年代後半に日本で初めて報告されました。日本や韓国などの東アジアに多い疾患であることがわかっていますが、近年では世界的にもその認識が高まっています。
 小児・成人ともに脳梗塞や脳出血により、麻痺や言語障害などの後遺症を引き起こすほか、脳卒中を起こさなくても、長期的に高次脳機能障害をきたす可能性があり、適切な診断・治療が必要になります。もやもや病による脳卒中の予防には血行再建術が有効ですが、全ての患者さんに必要なわけではありません。その必要性の判断は、症状や画像検査などを総合的に参考にしますが、経験のある施設でなければ、診断そのものを含め難しい場合があります。他院でもやもや病と診断された患者さん、疑い例も含め本疾患を診断された先生方からの紹介(診断からフォローアップまで)を広く受けつけています。患者さんとご家族の不安を少しでも解消できるよう総合的に支援いたします。
 北海道大学脳神経外科は旧来より、もやもや病の診療に力を入れており、小児・成人例ともに国内有数の診療実績を有しています。血行再建術の方針・方法は施設によりやや異なっていますが、当科では以前から、効果的な血流改善を広範囲に得るために、小児・成人ともに直接と間接血行再建を合わせた複合血行再建術を基本とし、良好な長期成績を上げてきました。とくに小児例では血管径が小さく、直接血行再建術は非常に高度な技術が必要になります。もやもや病に特有の合併症を減らすため、手術だけでなく、手術前後にも特殊な管理が必要であり、最新の画像機器・研究成果に基づく、さまざまな工夫を行っています。
 また、病態、診断・治療法などに関する臨床・基礎研究でこれまで多くの成果を国内・世界に向け発信してきました(北海道大学もやもやセンター(http://moyamoya.neurosurgery-hokudai.jp/ja/)。ただし、本疾患に関して未解明の部分は多く、学内の他部門とも連携し、病因解明、新しい診断・治療法の開発のため、現在も複数の研究を行っています(臨床試験一覧を御覧下さい)。さらに厚生労働省研究班の主要施設として、複数の全国共同研究、疾患政策に関与しています。また海外の施設とも診療、研究面において連携をとっています。

医療費助成について:もやもや病は厚生労働省が指定する特定疾患であり、特定の条件をみたす場合に公費負担医療の対象となります。

もやの会(http://moyanokai.com/)について:1983年に患者会が発足し、専門医による講演会、
相談会、患者・家族の交流会、会報の発行などを行っています。全国にブロック組織があります。



 血管内治療グループでは脊髄血管奇形(動静脈奇形、動静脈瘻)の治療に力を入れています。
 脊髄血管奇形は非常に稀な疾患であり、施設によっては、脳神経外科であってもほとんど診察を経験することがない病気です。手や足のしびれ、麻痺、排尿困難などが主な症状です。治療を行わないと、徐々に症状が進行して、大きな後遺症を残す可能性があります。
 20年以上前から当院では同疾患の治療に力を注いできました。この疾患の治療は非常に難しく、残念ながら完全に病気をなくすことができないこともあります。しかし、治療を行うことにより症状の進行を遅らせることが可能です。当院では外科的治療、血管内治療、放射線治療(当院放射線科が担当)を組み合わせる集学的治療を行っております。全国的に見ても、外科治療・血管内治療・放射線治療を1つの施設で行うことができる施設は少なく、本州から地理的に遠い北海道でありながら、全国から患者さんが集まってきます。治療が難しいと判断されても当院であればできることがあるかもしれませんので、お気軽にご相談ください。火曜日の午前中に川堀特任助教金曜日の午前中に長内助教が専門外来を行っています。


脳腫瘍班

 脳腫瘍治療は二つの大きな柱があります。一つは深部の腫瘍に対する頭蓋底手術や下垂体疾患の経鼻内視鏡治療のような外科治療が非常に重要な役割を果たす場合と、もう一つは神経膠腫、悪性リンパ腫、胚細胞腫瘍、また小児脳腫瘍など放射線や薬物治療を組み合わせた集学的治療を必要とする場合です。当院では困難な手術治療に対応できるスタッフはもちろん、CT、MRI、PETなどの最新画像診断、分子レベルまで解析可能な病理診断、陽子線を含めた高度な放射線治療、小児の薬物治療、内分泌治療、リハビリテーション、そして目や耳・鼻など関連器官についてそれぞれの専門科のエキスパートが連携体制を整え、大学病院ならではの高度なワンストップ診療が提供できるよう頑張っています。
 そしてなにより治療の第一歩は「話す」ことであると考えています。お困りの際はご遠慮なくご相談ください。小林講師山口助教が中心となって診断、治療を行っています。


脊髄・機能外科班

 脊髄・機能外科班が取り扱う疾患は脊椎変性疾患,パーキンソン病,痙縮など多岐にわたっています.その中で特に力を入れている脊髄疾患についてご紹介します.われわれのグループでは伝統的に,脊髄腫瘍(特に脊髄星細胞腫),脊髄動静脈奇形,脊髄空洞症の診断・治療に積極的に取り組んでおり,日本でもトップクラスの治療成績を誇っています.高悪性度脊髄星細胞腫は手術的に全摘出することは不可能です.そこで,当院放射線治療科の協力の下,高線量の放射線を脊髄に照射して脊髄を離断する放射線的脊髄離断術を適応のある症例に対して行い,生存率の改善を認めています.また,脊髄動静脈奇形の中でも治療が困難な髄内動静脈奇形に対しては,当科の脳血管内治療グループおよび放射線治療科とともに集学的治療を行っております.このような治療体制を持っているのは本邦でも当科だけです.最後に,脊髄空洞症に対しては,大孔部減圧術の際に懸念される髄液瘻予防のため,硬膜を全層切除するのではなく,硬膜外層のみを切除する方法を開発しました.また,空洞-クモ膜下腔短絡術の際に使用される脊髄空洞症用シャントチューブは当グループで開発したものです.いずれの術式も全国で広く行われ,良好な治療成績が報告されています.
 関診療講師が中心となって診断、治療を行っています。

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臨床試験・治験一覧

 北海道大学脳神経外科では多くの臨床試験や治験を行っています。臨床試験には患者さんに協力をお願いして経過を観察させていただくものや検査を受けていただくものから新規の抗がん剤を無償で提供する代わりに患者さんのデータを使わせていただくものまで多種多様なものがあります。下記に対象となる疾患と試験の名前、担当の先生の名前を掲示いたします。自分の病気が対象になっている場合はどうぞ遠慮なく担当の先生にお問い合わせください。

脳血管障害班

脳梗塞:tPA cool IVR 試験・長内助教
    脳梗塞急性期の血管内治療後にカテーテルから15度の生理食塩水を10分流し脳の障害を
    最小限にする臨床試験です。

もやもや病:片側性もやもや病の進行と遺伝的要因に関する患者登録研究・数又講師
      遺伝子変異と病気の進行の関係を観察する研究です。採血が必要になります。

もやもや病:無症候性もやもや病の予後と治療法の確立をめざした多施設共同研究・数又講師
      現在症状のないもやもや病の患者さんを長期に観察する研究です。定期的な受診が
      必要になります。

もやもや病:もやもや病における高次脳機能障害に関する検討・数又講師
      もやもや病患者さんに高次脳機能検査をしていただく研究です。

もやもや病:60歳以上のもやもや病の病態解明に関する多施設共同研究・数又講師
      高齢者のもやもや病患者さんの観察研究です。定期的に受診とMRI等の検査を
      行います。

脳腫瘍班

グリオーマ:初発神経膠腫に対するメチオニンPETの有用性の検討・山口助教
      メチオニンPETを用いてグリオーマの広がりを評価する臨床試験です。

グリオーマ:メチオニンPETによる脳腫瘍の再発と放射線壊死の鑑別・山口助教
      メチオニンPETを用いて放射線壊死と再発の鑑別を行う試験です。

膠芽腫:バイオマーク・山口助教
    テモダールとベバシズマブを組みあわた治療です。通常の保険診療です。

グリオーマ(グレード3):JCOG1016・山口助教
             最初にテモダールを使うグループとニドランを使用するグループに
             割り付けられます。

グリオーマ(グレード2):JCOG1303・山口助教
             放射線治療後のテモダールの効果を観察します。

中枢神経原発悪性リンパ腫:JCOG1114・茂木特任助教
             メソトリキセートの治療にテモダールを追加する治療です。
             テモダールは無償で提供されます。

再発膠芽腫:新規薬剤(抗体薬物複合体)の治験・小林浩之講師
      詳細はこちらを参照ください
https://oncolo.jp/ct/ad/ad0030?utm_source=google&utm_campaign=glioma&utm_medium=cpc&utm_term=ab&gclid=CLzS2b21vNMCFVgRvQod0p0LDQ
 

2017年4月25日更新
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