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物忘れ検査入院について

精神科神経科 講師 中川 伸


日本は全世界の中で最も高齢化が進んでいる国であり、2010年における65歳以上(高齢者)の人口は2941万人(全人口比23.1%)になります。この数は今後増え続けることが予想され、40年後には全人口比39.5%に達し、この時点でも世界で最たる超高齢国家と考えられています。認知症はいろいろな原因疾患を内包する状態像ですが、現時点では高齢者の約8.5%がこの状態であり、高齢者の中でも80歳以上を超える高齢者がさらに増えていく未来では、さらにその割合が増えていくと試算されています。一方、これらに対応する医療者数はあまりに少なく、その診断、治療はややなおざりになっている感は否めません。


認知症の原因疾患を特定するためには症候学(症状を見て診断をつけていくこと)が最も大切です。しかしながら医師、患者さんご自身、患者さんのご家族にとって、集約的に多方面からの検査を行うことを望まれている方は多いのではないでしょうか。この為、当科では関連各科と連携し、認知症をより詳しくとらえ、高度な医療を患者さんに提供する試みを平成22年9月から開始致しました。

 

外来受診の予約

検査入院していただく前に、一度外来にて問診・診察をさせて頂きます。患者さんご自身が、来院できない場合もご家族に来て頂き、状態を確認させてもらいます。

 

当科より資料ならびに予診表送付

当科より「認知症について」「もの忘れ検査入院について」の簡単な資料を提供致します。さらに通院している病院と処方薬、日常生活能力、精神症状などの予診表を事前に送付し、外来受診時の負担を軽減します。

 

外来受診

 診察は問診、神経学的検査などを含みます。緊急に対応が必要であるのか、頭部MRI(または頭部CT)を撮影し、確認をとります。

 

もの忘れ検査入院

基本的には任意入院であり、開放病棟の個室を使用致します。ご希望により特別室をご用意できます。検査内容は多岐にわたりますが、現在のところ殆どの患者さんがこなせています。検査データについては、脳SPECT・MIBG心筋シンチ(核医学)、認知機能検査・神経心理検査(臨床心理士)、頭部MRI・MRA(放射線科・脳神経外科)、神経内科診察(神経内科)、脳波(当科てんかんグループ医師)など各分野の専門家からの意見をいただきます。

 

検査結果説明

専門家の意見、当科における所見を集約し、約2週間後に外来で、検査結果を説明します。まとめた内容を紙面にしてお渡しし、患者さん、ご家族に時間をかけて説明致します。この際、ある程度の治療の方向付けなどをお話しする場合もあります。また、ご希望に添って介護保険など社会サービスに関する情報を当科ソーシャル・ワーカーから説明させて頂く場合もございます。かかりつけ医の先生には入院で得られた総ての情報をまとめ、診断、治療方針など参考意見・情報を提供いたします。尚、問題行動、精神症状のために日常生活が障害されている患者さんに対しては、当科で治療を行い、安定した段階で引き継ぐことも行っております。


すでに多くの内科、脳神経外科、神経内科、精神科などの病院、クリニックから依頼を受け、お答えしてきております。患者さん、ご家族のご希望または日常診療で疑問が生じた場合など、気軽にご相談いただければ幸いです。

 

☆「もの忘れ検査入院」の流れ

[1] 外来受診の予約
 (011-716-1161内線5774または5775: 精神科外来)
  かかりつけ医または患者ご家族

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[2] 当科より資料ならびに予診表送付
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[3] 外来受診
  診察 約1時間
  頭部MRI 約30分

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[4] 「もの忘れ検査入院」(例)
  月曜日: 診察、説明、胸部レントゲン、心電図、脳SPECT
  火曜日: 採血・採尿、認知機能検査(主に前頭葉機能)、神経内科受診
  水曜日: 神経心理検査、頭部MRA
  木曜日: MIBG心筋シンチ、脳波

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[5] 検査結果説明
  外来 患者さん、ご家族へ: 約1時間   かかりつけ医への情報提供

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