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「がん遺伝子診断外来」開設のお知らせ(患者の皆様・医療関係者の方へ)




 平成28年4月より,北海道大学病院では,治療に関連するがん遺伝子を解析し,がん患者さんお一人おひとりに最も適した治療薬の情報を提供するための専門部署として「がん遺伝子診断部」を設置し,「がん遺伝子診断外来」を開始致しました。本外来では,自費診療にて,研究ではなく医療サービスとして網羅的ながん遺伝子検査を実施します。
 「がん遺伝子診断外来」では,「がん遺伝子診断部」の医師が,まず「がん遺伝子検査」の目的や意義について説明します。患者さんが検査の実施に同意された場合には,提出していただく病理組織検体の手続きと採血を行います。検査を院内検査または院外検査として実施し,得られた検査結果をもとに推奨される治療薬について遺伝子解析担当医,主治医,腫瘍内科医等からなる専門チームのチームカンファレンスで検討します。検討結果は,院内検査の場合には検査同意から約2週間後,院外検査の場合には約5週間後の外来にて患者さんにご説明します。
 北海道大学病院は,こうした先進的な医療技術を取り込み,チーム医療体制を構築することで,患者さんによりきめ細かな医療サービスを提供することを目指しています。

網羅的ながん遺伝子診断とは?

 現在,「がん」は発症臓器(たとえば肺,肝臓など),及び組織型(たとえば腺がん,扁平上皮がんなど)に基づいて分類され,治療法の選択が行われています。しかし,近年の研究により,「がん」は様々な遺伝子の異常が積み重なることで発症し,仮に発症臓器が同じでも,その遺伝子の異常は個々の患者さんごとに異なることが判ってきました。さらに,その遺伝子の異常の中には,がん細胞の生存に重要な特定の遺伝子が存在することが知られるようになり,既に特定の遺伝子の異常を標的とした治療薬(分子標的治療薬)が日常臨床で使われています。しかし,現在,日常診療の中で行われている遺伝子検査は,そのごく一部しか調べることが出来ません。そこで,北海道大学病院では,患者さんのがんの診断や治療に役立つ情報を得るために,一度に複数の遺伝子変化を調べる最新の解析技術を用いて検査を行います。こうした検査の結果で推奨される薬剤には,保険診療が適用される一般の抗がん剤や分子標的治療薬に加えて,現在臨床研究中(治験中)の薬剤や保険適応外の薬剤が含まれます。

対象となる患者さん

「がん遺伝子診断外来」にて提供する網羅的ながん遺伝子検査は,がん組織から抽出した核酸(DNA, RNA)と,血液の正常細胞(白血球)から抽出した核酸(DNA, RNA)を比較することで,がん細胞に特異的な遺伝子の異常を見つけるものです。従って,対象となる患者さんは,
  • 病理組織学的検査によって悪性腫瘍(がん)と診断された患者さん
  • 現在,悪性腫瘍(がん)の治療が行われている患者さん
です。がんに罹患しているかどうかを調べること(スクリーニング,検診)は出来ません。また,遺伝性のがん(家族性乳癌,遺伝性大腸癌等)に罹患する可能性についての検査を希望される場合には,「臨床遺伝子診療部」にて遺伝カウンセリングの受診が必要となります。
 

検査の費用と種類について

  • 網羅的がん遺伝子検査は,保険診療の対象外の自費診療となるため,患者さんご自身に費用の全額をご負担いただきます
  • 検査期間(検査の申込みから結果を受け取るまで)は,北海道大学病院でのがん治療に関わる診療は全て自費診療となります。従って,現在,北海道大学病院に入院中の患者さんは受診することが出来ません。
  • 検査後の治療費は含まれていません。検査の結果を元に治療を行う場合には,担当医と相談の上,実施することになりますが,保険外治療の場合には治療費が高額となる可能性があります。詳細は,「がん遺伝子診断外来」の担当医にお尋ねください。
  • 検査の説明を受けた結果,検査を行わない場合(保留を含む)には,セカンドオピニオン外来の受診料のみ (税込32,400円)となります。
  • 検査を申し込む場合には,当日に費用の全額のお支払(現金,またはクレジットカード可)が必要となります。
 北海道大学病院で実施する網羅的がん遺伝子診断は,3種類あります。そのうち,OncoPrime(オンコプライム)検査は,既に京都大学病院,岡山大学病院にて開始している検査で,核酸(DNA)を海外の検査機関に送付して検査を行うものです。その他の2種類の検査(クラーク検査S, L)は,北海道大学病院内で遺伝子解析を実施します。また,クラーク検査では,基本検査の他,オプションとして融合遺伝子も検査対象に含めるかどうかを選択することができます。それぞれの検査の特徴・費用は,以下の表を参照してください。
 ※)院内検査に関しては現在調整中のため,院外検査のみでの受付になります。(2017/3/24)

【基本検査】



【融合遺伝子検索を含む場合】


*注 使用する組織検体の状態によっては,検査が実施出来ない場合があります。その場合でも,検体の品質確認に要した薬剤費や施設利用料などの費用がかかりますので,ご了承ください。
 

外来の予約について

 「がん遺伝子診断外来」は,月曜日と木曜日の午後1時~午後4時(1人1枠,1枠1時間,1日3枠),週に6枠で行います。受診には全て,現在がん診療中の医療機関からの紹介および予約が必要です。主治医の先生にご相談の上,各医療機関を介して予約してください。患者さんご自身での予約は受け付けしておりません
 なお,外来受診にあたっては,現在までのがん診療に関する「診療情報提供書」(現在診療中の病院が作成・発行)が必須となります。また,検査を行うための「病理組織標本」を,手術・生検を行った病院から持参していただく場合があります。病理組織検体の取り扱いについては,北大病院と紹介元病院の間で連絡を取って対応しますので,詳細は主治医にご確認ください。

医療機関の方へ

  • 貴院の担当者(地域医療連携室等)からFAXにて北大病院・外来予約センター(FAX:011-706-7963)へお申込み下さい。受診準備のため,1週間後以降の受診日をご案内致します。なお,予約に関してのお問い合わせは,医事課新来予約受付担当(011-706-6037)までご連絡下さい。
  • 外来受診の際,現在までのがん診療に関する「診療情報提供書」が必須となりますので,ご準備願います。
  • 核酸抽出検査を行うための手術・生検時のホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)ブロックが必要となりますので,ご準備をお願い致します。尚,予約確定後,使用するFFPEブロックについてのご案内やチームカンファレンスのご連絡等,がん遺伝子診断外来の担当者から主治医の先生にご連絡させて頂きますので,連絡先を明記願います。
 

検査の流れ

 外来受診から,結果説明までの流れを,以下の図でご確認ください。

 

検査を受けることで役立つこと

  • 患者さんのがん細胞に見られる遺伝子の異常が明らかとなり,がんの個性が分かります。
  • 治療効果が期待できる国内で承認済みの治療薬の情報が得られます。
  • 治療効果が期待できる国内で臨床試験(治験等)中の治療薬の情報が得られます。
  • 治療効果が期待できる国内未承認,海外で承認済みあるいは臨床試験(治験等)中の治療薬の情報が得られます。
 

本検査を受ける際の注意点【重要】

  • 本検査を利用しても,あなたのがんの診断や治療に有用な情報が何も得られない可能性があります。
  • 本検査は,治療効果が期待できる治療薬の情報を提供しますが,その治療薬の治療効果を保証するものではありません
  • 本検査であなたのがん細胞で起こっている遺伝子変異に対して効果が期待される薬剤が見つかったとしても,あなたのがんに対して承認されていない(※)場合,薬剤の入手が出来ない,あるいは投与が出来ない可能性があります。また,治療費は自己負担となります
  ※「保険診療で使えない薬剤」または「他のがんや病気では保険診療で使えるが,あなたのがん
   では使えない薬剤」を指します。
  • がん遺伝子診断外来は,がんの治療・診断に関するセカンドオピニオン外来とは異なります。診断内容や治療方針について,専門医の意見や判断を希望される場合には,別途,セカンドオピニオン外来にお申し込みください。
* セカンドオピニオン外来について:
  
北海道大学病院 医事課(新来予約担当)(電話:011-706-6037) 1時間 32,400円
 

検査後の治療について

  • 現在,保険診療で認められている標準治療が行われている患者さんは,その標準治療が優先され,遺伝子検査の結果に基づく治療は全ての標準治療が終了した後の選択肢として考慮されます。
  • 遺伝子検査の結果,現在行われている治験に登録が可能と考えられた場合,その治験を実施している病院をご紹介します。
  • 遺伝子検査とその他の各種検査の結果を総合的に判断することで,原発臓器の臨床診断が可能となった原発不明癌については,臨床診断された臓器癌に基づいて保険診療内で治療が可能となります。
  • 遺伝子検査の結果,現在行われている治験に登録が可能と考えられた場合,その治験を実施している病院をご紹介します。
  • 遺伝子検査の結果,効果が期待される薬剤の情報が得られた場合には,「適応外申請を行って自費診療で治療を行う」,あるいは「先進医療実施病院を紹介して,自費診療と保険診療を並行して治療を行う」可能性が考えられます。これらの場合,治療費が高額となります
  • 本遺伝子検査を実施しても,治療薬の選定に有用な情報が何も得られない可能性もあります
  • 遺伝子検査の結果に基づいて治療を行っても,十分な治療効果が得られない可能性もあります
  • がん遺伝子検査は,あくまで主治医の判断に必要な情報を提供するものであって,がん遺伝子解析の結果が,主治医の判断よりも優先されることはありません。
 

「がん遺伝子診断外来」に関するお問い合わせ先

北海道大学がん遺伝子診断部
060-8648 札幌市北区北 14 条西 5 丁目 
TEL: 011-706-7778 FAX: 011-706-7099
E-mail:biobank@ml.hokudai.ac.jp

医療機関の方へ

検査に関するより詳細な資料をご希望の場合には,上記までご連絡下さい。郵送,あるいはE-mailにて資料を送付致します。

 

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