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肝疾患相談センターについて

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センター長ご挨拶

肝臓病に打ち克つために

肝疾患相談センター長 大原 正嗣

当院の肝疾患相談センターは、平成20年からの国の総合的な肝炎対策の一環として、都道府県から指定を受ける肝疾患診療連携拠点病院として、北海道大学病院が平成21年8月に認定され、平成22年4月より活動を開始しています。

当センターが開設されてからは、早くも14年が経過しました。この間、C型肝炎には直接作用型抗ウイルス薬(DAA)が広く普及し、また北海道に多いB型肝炎も核酸アナログ製剤により制御可能な時代となってまいりました。WHOが肝炎ウイルスの撲滅を目標とするなど、B型肝炎やC型肝炎に対する国内の取り組みも進んでいます。さらに、アルコール性肝疾患が肝硬変の主因となる傾向が見られる中、脂肪性肝疾患の概念の変化や肝癌に対する治療の発展なども進んでいます。

一方で、北海道では過去10年間の肝癌死亡者数がほぼ横ばいで推移しているなど、様々な課題もあります。拠点病院選定の一つに、肝炎医療の均てん化があります。ここ数年で肝疾患の治療は目覚ましい進歩を遂げていますが、広大な北海道においては治療内容が均等となるよう診療ネットワークを充実させるとともに、病気の早期発見につながるようなスキームを構築することが重要です。

当院では、消化器内科・消化器外科・放射線診断・治療科に肝臓病治療のエキスパートが揃っており、看護部、薬剤部、検査部、栄養管理部とも連携をとって、北海道内における肝疾患の中核病院として専門的な肝疾患診療を行っています。また、コロナ流行前に実施していた院内での肝臓病教室を今年度より再開することとし、患者さんに最新の肝疾患情報を提供してまいります。

院外では平成22年以降、市民・医療従事者の皆様に対する肝疾患の情報提供を行ってまいりましたが、今後もコロナ禍で得たWebも併用しながら北海道の肝疾患撲滅のために活動を進めてまいります。また、肝炎に関する情報提供やサポートを行うことができる「北海道肝炎医療コーディネーター」について、北海道から委託を受けて養成やスキルアップの研修会を開催しています。道内肝疾患専門医療機関やかかりつけ医の先生、肝炎医療コーディネーターとも協力し、チームを組んで肝疾患の診療レベル向上を目指していきたいと考えています。

これらの活動が皆様のお役に立ち、肝臓病を克服するための一助となることを切に願っております。

令和6年4月

北海道大学病院肝疾患相談センター長 大原正嗣

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