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センター概要

センター長挨拶

患者さんのクオリティ・オブ・ライフに寄り添い北大病院のがん陽子線治療を実践していきます。

 いま、放射線治療が大きく変わりつつあります。100年間にわたって放射線治療の中心を占めてきたX線治療はさらに精度を高め、手術と並ぶ根治治療として全世界に普及してきております。一方、陽子線治療は、正常組織への照射範囲をX線治療よりもさらに減らすことが可能になり、現在、世界中で急激に装置の導入施設が増加しつつあります。まず、小児がんにおいて、陽子線治療は実質的に世界の標準治療のひとつとなりつつあり、わが国でも2016年4月から保険収載となりました。 今後、成人のがんに関しても、陽子線治療の保険収載の適応が広がる可能性があり、どのような疾患・病態において陽子線治療が既存治療を上回ることができるか、世界中で既存治療との比較研究が急激に増加してきております。わが国でも、先進医療の制度と日本放射線腫瘍学会の主導のもと、全ての陽子線治療センターが統一治療方針に則って、9領域38疾患に対して臨床研究を進行中です。本陽子線治療センターも、その一員です。


センター長顔写真

 北海道大学病院の陽子線治療センターは、世界のトップを目指した先端的研究推進のための「最先端研究開発支援プログラム」のご支援を受け、2014年3月に開設しました。次世代型のスポットスキャン法を用いた陽子線治療の先進医療を脳、頭頸部、骨軟部腫瘍などから開始し、その後、体内の臓器の動きや位置や大きさによって従来は正確な治療が困難であったがんに対しても、世界で初めての動体追跡スポットスキャン陽子線治療を用いて治療開始しました。 具体的には、肺がん、肝がん、膵がん、前立腺がんなど、現在への先進医療を開始しております。さらに、2015年からは、強度変調陽子線治療(IMPT)を開始しており、従来のX線治療の最先端である強度変調放射線治療(IMRT, IMXT)を凌ぐ、正常組織の防護を可能とした放射線治療を達成しています。また、動体追跡用のX線管を利用したコーンビームCTを用いた位置決めを可能とし(この組み合わせはX線治療を含めて世界で初めてです)、最先端の画像誘導陽子線治療装置として世界中から注目を集めております。


 装置は極めて順調に稼働しており、予定通り、着々と、保険診療や先進医療、臨床研究が行われております。一方で、海外からの患者さん等の治療にも自由診療の枠で対応しております。また、装置自体の見学者が多いのが特徴であり、世界をリードする陽子線治療装置として2年半(2016年10月現在)で、国内から1500人弱、海外から300人超、合わせて約1800人の見学者を迎えてきました。北海道大学病院型の小型陽子線治療装置は、現在、メイヨークリニック(ロチェスター、アリゾナ)、セントジュード小児研究病院の3施設に導入され、今後、ジョンスホプキンス大学、M D アンダーソン病院、京都府立大学病院、シンガポール国立がんセンター、香港養和病院に動体追跡付き装置も導入予定とのことで、さらに国際的ネットワークが広がりつつあります。


 北海道大学病院では、陽子線治療をご希望の方に対しても、患者さんにお勧めする治療法の選択肢は放射線治療医以外の各臓器・疾患の専門医を加えた検討会(キャンサーボード)で一例一例、慎重に決定しています。もちろん、ご本人・ご家族への詳しい説明とご同意(インフォームド・コンセント)の上で、病院全体で最適と考える治療をさせていただきます。決して、陽子線治療センターの医師だけでの独善的な治療方針の決定は行いませんので、安心してご相談してください。陽子線治療を選択された場合には、医師、医学物理士、線量測定士、診療放射線技師、看護師、事務職員など、多職種がチームワークを組んで、治療前・中・後を通して、患者さんに最高のクオリティーオブライフをお届けできるよう、努力します。


 北海道大学病院放射線治療科と陽子線治療センターは、患者さんと医師にとって最先端医療の砦であるとともに、常に現状の課題を見つめ、次世代のがん治療法の発祥の地となるべく、今後とも、常に前進して参ります。

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