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肝疾患診療Q&A

肝疾患に関するご質問に関連し、これまで肝疾患相談センターに頂きましたご相談に対する回答などを掲載致します。

肝疾患診療に関するご質問

  1. 肝臓は、どんな働きをしていますか?
  2. 肝炎とは?
  3. ウイルス性肝炎とは?
  4. 肝炎ウイルスはどのように感染しますか?
  5. 肝炎ウイルスに感染しているかどうかは、どこで、どのように検査をするのですか?
  6. 肝炎ウイルスに感染していることがわかったら?
  7. ウイルス性肝炎の医療はどこで受けられるのですか?
  8. ウイルス性肝炎の治療法にはどのようなものがありますか?
  9. ウイルス性肝炎の治療に関する医療費助成について。
  10. 北海道大学病院での医療・保険・福祉に関する相談窓口は?
  11. 肝機能障害による身体障害者手帳の交付を受けられますか?
  12. 肝臓移植を受けたいのですが。

肝疾患診療に関するご回答

Q 肝臓は、どんな働きをしていますか?
A
肝臓は人間の化学工場といわれ、様々な働きをしています。その中で、代表的なものは、
  1. 栄養分の加工・処理
    糖質(炭水化物)、蛋白質、脂質などの合成や貯蔵などを行います。
  2. 解毒
    体内の有毒物質、薬物などの分解や処理を行います。
  3. 胆汁の産生
    消化液の1種である胆汁を産生します。
などです。
肝臓病により現れる症状やからだの変化は、これらの働きが十分で無くなったために起こってきます。

Q 肝炎とは?
A
肝臓に炎症が起きている状態を指します。原因には、肝炎ウイルス、薬剤、アルコール、自己免疫、脂肪性など、色々な可能性がありますが、日本ではウイルス性肝炎が多数を占めます。 病気の発症や経過により、急性肝炎、慢性肝炎などに分類されます。急性肝炎の一部では、短期間で非常に重症な状態に陥る「劇症肝炎」になるものもあります。

Q ウイルス性肝炎とは?
A
ウイルス性肝炎は、肝炎を起こす原因が肝炎ウイルスであるものです。肝炎ウイルスが肝臓の細胞に感染し、炎症を起こして障害がおこる病気です。
肝炎ウイルスには、A型、B型、C型、D型、E型の5種類が知られています。特に、B型とC型は慢性肝炎や肝硬変、肝がんに関係することが知られています。

Q 肝炎ウイルスはどのように感染しますか?
A
A型やE型肝炎ウイルスは、ウイルスに汚染された水、食物などが口から体内に入って感染します。
B型やC型肝炎ウイルスは、血液あるいは血液成分が混ざった体液(唾液など)が体内に入って感染します。主な感染の原因としては、輸血あるいは血液製剤の点滴、注射針・注射器の共用、入れ墨、ピアスの穴あけ、性交渉などが考えられますが、感染の可能性は、ウイルスの種類や時代によって異なります。

Q 肝炎ウイルスに感染しているかどうかは、どこで、どのように検査をするのですか?
A
自分がB型あるいはC型肝炎ウイルスに感染しているかどうかをご存知ない方は、必ず一度は検査をして頂くよう、お勧めしています。過去にウイルス検査を受診している方は、新たな感染機会の可能性がない限り、基本的に再検査は必要ありません。
確認のためには血液検査を行います。
検査は、札幌市では指定の医療機関(市内に数100カ所)、札幌市以外では保健所にて無料検査を行っています。また、健康保険組合および政府管掌健康保険が行う健診で、B型およびC型肝炎ウイルス検査を行っている場合もありますので、それぞれにお問い合わせ下さい。

Q 肝炎ウイルスに感染していることがわかったら?
A
とにかく、専門医の診断を受けることが大切です。肝炎ウイルスに感染している場合でも、その状態は様々です。自己判断をせずに、専門医に相談をして下さい。

Q ウイルス性肝炎の医療はどこで受けられるのですか?
A
北海道内には、3か所の肝疾患診療連携拠点病院と肝疾患専門医療機関が指定されております。これらの病院とかかりつけ医が連携して検査や治療を行っていきます。
肝疾患専門医療機関では、専門的な知識を持つ医師(日本肝臓学会や日本消化器病学会の専門医など)により、インターフェロンなどの抗ウイルス療法、肝がんの高危険群の同定と早期診断などの診断と治療方針の決定を行い、治療方針が決定された患者を地域の医療機関(かかりつけ医)へ紹介致します。北海道内の専門医療機関には、約174病院が指定されております。
肝炎の専門医療を受けたい場合には、かかりつけ医と相談のうえ、こうした専門の医療機関を紹介してもらうことをお勧めします。

Q ウイルス性肝炎の治療法にはどのようなものがありますか?
A
B型あるいはC型肝炎ウイルスが原因で起こった肝炎、肝硬変などの肝障害に対する治療は、
  1. 直接、ウイルスに作用する薬剤を使用する抗ウイルス療法
  2. 肝臓の障害を抑制し、肝臓を護るための肝庇護療法
に大別されます。抗ウイルス治療には、インターフェロン製剤、核酸アナログ製剤と総称される薬剤を使用します。肝庇護治療として、内服薬あるいは注射が使用されています。

Q ウイルス性肝炎の治療に関する医療費助成について。
A
厚生労働省では、平成20年度からB型肝炎、C型肝炎に対するインターフェロン治療、平成22年度からB型肝炎に対する核酸アナログ製剤治療についての医療費助成を開始しました。北海道では、それ以前より道独自でウイルス性肝炎進行防止対策事業を継続しております。
病気の種類や状態、治療の種類によって、どの助成対象に該当するかが異なりますので、主治医にご確認下さい。また、市町村民税の課税額によって負担限度額が異なります。確認のうえ、地元の保健所(札幌市は保健センター)に申請をして下さい。

Q 北海道大学病院での医療・保険・福祉に関する相談窓口は?
A
北海道大学病院では、医療福祉相談室を設置して、公費負担医療・身体障害者手帳などの受給・申請などに関してご相談に応じておりますので、どうぞご利用下さい。

Q 肝機能障害による身体障害者手帳の交付を受けられますか?
A
平成22年4月から、肝機能障害が身体障害者手帳交付の対象に追加されましたが、認定には次の基準が定められています。
対象:
  1. 下記の基準に該当する肝機能障害がある方。
  2. 肝臓移植を受け、抗免疫療法を実施している方。
認定基準:
主として肝機能障害の重症度分類であるChild-Pugh分類で、3ヶ月以上グレードC(重度)に該当する方が、おおむね交付対象となります。但し、診断前6ヶ月間にアルコールを摂取している方は除外されます。
※Child-Pugh分類;肝性脳症、腹水、血清アルブミン値、プロトロンビン時間、血清ビリルビン値の5項目で重症度の評価をします。
なお、診断書は指定医師による作成が必要です。詳しい手続き方法や認定基準の内容、指定医師のいる医療機関などについては、お住まいの市町村または各保健福祉事務所の担当窓口までお問い合わせ下さい。

Q 肝臓移植を受けたいのですが。
A
肝臓移植には、脳死移植と生体移植があります。北海道大学病院では、消化器外科Ⅰで肝臓移植医療の大きな実績をあげており、肝臓病患者さんの評価、移植の必要性、適応の有無、脳死肝移植の登録など、全体をカバーして診療を行っております。
肝臓移植に関するご質問・ご相談は、消化器外科Ⅰあるいは臓器移植医療部移植コーディネーター(011-747-8788)までご連絡下さい。

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