ひきこもり家族支援外来

ひきこもり家族支援外来について

「ひきこもり」の状態にある方は、就学・就労・家庭外での交遊といった社会的参加を回避し、長期間にわたって概ね家庭にとどまり続けています。

全国の精神保健福祉センターおよび保健所を対象とした調査では、ひきこもりに関する相談のうち、ご家族からの相談が72.2%を占める一方、ご本人からの相談は6.6%にとどまっています。ご本人が医療機関を受診されるまでのハードルは高く、その手前でご家族が対応に迷われることが少なくありません。

当院精神科神経科では、ご本人が受診に至る前の段階で、ご家族を対象とした専門的な相談支援を行う「ひきこもり家族支援外来」を開設いたします。ご家族に適切な対応方法を身につけていただくことで、ご本人の受診に向けた動機づけと、ご家族の心理的負担の軽減を目指します。

本外来は完全予約制の自由診療です。2026年10月より、ご相談および予約の受付を開始いたします。

対象となる方

  • 「当院精神科神経科を受診されていない、ひきこもり状態にある当事者」のご家族の方

本外来はご家族が来院してご相談いただく外来です。ご本人の同席・来院は必要ありません。

 

診療の内容

1.医師による面談(医師+心理士等)

当科外来診察室にて、30分から60分程度、ご事情をおうかがいします。ひきこもりの背景となりうる疾患についてご説明するとともに、ご本人への接し方についてご相談に応じます。初回の面談は必須です。
2回目以降も、必要に応じて医師が面談を行います。医師が診察を行う回の料金は、初回と同じく1回20,000円です。

2.家族支援プログラム「ひ・き・こ・も・り」(心理士等)

初回面談の後、家庭内での支援スキルの向上を目的として当科が独自に開発した、5つのステップからなる家族支援プログラムを実施します。デイケア室にて、月1〜2回程度、ご本人の受診に至るまで継続します。心理士、看護師、精神保健福祉士、作業療法士など多職種で実施いたします。

実施日:原則として火曜日午後

3.保険診療への移行

ご相談の内容から医療的介入の緊急性が高いと判断される場合、またはご本人の受診意欲が確認できた場合には、速やかにご本人に保険診療である「ひきこもり専門外来」の受診をお勧めします。ご家族を通じた間接的な支援から、ご本人への直接的な治療へと円滑に移行できるよう支援いたします。

自由診療について

本外来は健康保険が適用されない自由診療です。診療に要する費用は全額、来院されたご家族のご負担となります。

保険が適用されない理由

わが国の公的医療保険制度は「患者ご本人への対面診療」を原則としており、ご本人の受診がない状態でのご家族のみを対象とした相談は、現在の保険診療の枠組みに含まれていません。

一方で、ご本人が支援を拒絶している段階でご家族が適切な対応を学ぶことは、ご家族の疲弊を防ぎ、ご本人への支援につなげるうえで重要です。受診の拒絶という点で類似するアルコール依存症では、ご家族への介入によりご本人の治療導入率が高まることが知られています。当科科長の加藤は、ひきこもりのご家族への介入試験を実施し、一定の効果を報告しています(Kubo et al. Heliyon 2020;Front Psychiatry 2023)。

こうした背景から、当院では本外来を自由診療として開設することといたしました。

院内での審査

本診療については、その妥当性、有用性および安全性を検証するため、「自由診療審査委員会要項」に基づき当院自由診療審査委員会で審議され、令和8年3月9日に承認されています。また、料金の妥当性について病院執行会議で審議し、令和8年8月6日に承認されています。

診療料金

いずれも税込・全額自己負担です。

区分 料金 内容
ひきこもり家族支援外来 (医師+心理士等) 20,000円 医師が診察を行う回。初回の面談は必ずこの区分です。2回目以降も、医師が診察を行う回はこの区分となります。
ひきこもり家族支援外来 (心理士等) 7,200円 医師が診察を行わない回。家族支援プログラム「ひ・き・こ・も・り」を実施します。

料金は1回あたりの額です。医師が診察を行う回は、初回・2回目以降を問わず、その都度20,000円となります。

本診療に伴い合併症が生じた場合の費用についても、自己負担となります。

診療日・予約方法

完全予約制です。ご予約は、ご家族から下記へお電話ください。当院所定の事項を確認のうえ、お電話の中で日時を確定いたします。

項目 内容
予約方法 電話のみ
予約電話番号 011-706-4330(北海道大学病院 医事課 初診予約係)
受付時間 平日(月〜金)9時〜16時
紹介状 他院からの紹介状は不要です
予約枠 原則として火曜日 14時30分〜16時(月1〜2枠、各枠1名)
場所 初回面談:精神科神経科外来診察室 / 家族支援プログラム:デイケア室

お電話の際にうかがう事項

  • お名前(ふりがな)、性別、生年月日
  • ご住所、ご連絡先
  • ひきこもりの当事者の方とご相談者との続柄
  • ご相談に同席される方のお名前・続柄
  • 当院の受診歴
  • 自由診療の料金についてご理解いただいているかの確認

診察券(患者ID)は、受診されるご家族のお名前で作成いたします。ひきこもりの当事者ご本人の診察券は作成いたしません。

受診当日の流れ

  1. 1階 初診受付にて受付
  2. 精神科神経科外来にて面談(初回30〜60分程度)
  3. 料金計算窓口にてお支払い

担当

北海道大学病院 精神科神経科 教授 加藤 隆弘

加藤教授は2013年に九州大学病院において世界初の「ひきこもり研究外来」を開設し、ご本人・ご家族の双方に対する支援法の開発を進めてきました。2025年4月より北海道大学病院を新たな拠点として、包括的なひきこもり支援体制の構築に取り組んでいます。

受診にあたってのご注意

  • 本外来は、ご本人の受診を確実にお約束するものではありません。ご家族へのご相談を通じて、ご本人が自ら受診しようとする意欲を持たれることを期待して実施するものです。
  • ひきこもりについて理解を深める過程で、ご家族ご自身が強いストレスを感じられる場合があります。それにより不眠、抑うつ、不安などの症状が生じる可能性があります。個人差がありますので、お困りの際は担当者にご相談ください。
  • 受診にあたっては、あらかじめ説明承諾文書をお読みいただき、内容をご理解いただいたうえで同意書にご署名いただきます。
  • 同意された後であっても、診療の前であればいつでも同意を撤回することができます。
  • 医師が診察を行う回は、初回・2回目以降を問わず、その都度20,000円のご負担となります。

お問い合わせ

ひきこもり家族支援外来について

北海道大学病院 精神科神経科  (病院代表電話)011-706-5160

予約について

北海道大学病院 医事課 初診予約係 011-706-4330