手術に臨むときの不安感は誰もが抱くものですが、手術自体は全身麻酔の力で、患者さんが知らないうちに完了しています。患者さんに苦痛を与えず、円滑に手術を行えるのは麻酔科医の活躍によるものです。北海道大学病院の全身麻酔件数は、全国の旧国立大学病院で常に全国上位を維持しております。また北海道の最後の砦病院の一つとして、以前では手術適応とならなかったような極めて困難で、かつ多彩な麻酔管理を施行し、北海道の医療のために少なからぬ貢献をしていると自負しております。例えば、脳死移植では北海道の唯一の受け入れ施設でありますし、最近では超緊急の新生児複雑先天性心奇形の臨時手術も、年々増加しております。これらの麻酔症例に対して、教員・医員・研修医がチームを組み、綿密な麻酔計画のもとに安全で質の高い麻酔を提供しています。
ペインクリニックでは主に痛みに悩む患者さんを対象とした治療を行っていますが、顔面神経麻痺や突発性難聴などの痛み以外の疾患も扱います。薬物や神経ブロック、レーザー等による治療が行われています。当科では、数十年来、レーザー治療を積極的に展開してきました。2019年から機器の更新を行い、最新の各種機器(低出力レーザー、ハロゲンランプ、キセノンライト)を用いて、症状に応じた治療が受けられます。
診察は毎週、月・水・金です。レーザー治療の再来患者のみ、月から金まで毎日受付けしております。
http://www.hokudaimasui.jp/patient1.html#pati2
また平成20年度からは、北海道大学病院に開設された緩和ケアセンターの一員としても活動しており、平成28年からは敦賀講師がリーダーを務めております。
高気圧酸素治療とは、高い気圧をかけた部屋(高気圧治療室)のなかで純酸素を吸入することにより、体のなかの酸素を通常の数十倍に増やし、酸素不足から生じる様々な病気を改善する治療法です。多人数(8名)収容可能な第2種高気圧酸素治療装置は道内に3台しかなく、札幌市内では当院のみです。なお、平成17年2月からスポーツ外傷治療を目的にスポーツ高気圧酸素療法(自費診療)を開設しております。
集中治療部は中央診療部門で各科の協力の下に運営されていますが、部長・副部長をはじめ麻酔科からは多くの教員・医員が働いております。術後患者、院内救急患者、救急部経由の患者などの管理を行っています。
職名 | 氏名 | 所属学会・指導医・認定医など |
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麻酔科科長(特任教授) | 森本 裕二 | 日本麻酔科学会麻酔指導医 日本集中治療医学会専門医 日本ペインクリニック学会専門医 高気圧医学専門医 日本心臓血管麻酔学会認定指導医 日本神経麻酔集中治療学会指導医 |
准教授・手術部副部長 | 内田 洋介 | 日本麻酔科学会麻酔指導医 |
講師(腫瘍センター緩和ケア・財務医長) | 敦賀 健吉 | 日本麻酔科学会麻酔指導医 日本ペインクリニック学会専門医 日本緩和医療学会認定医 |
講師・集中治療部部長 | 斉藤 仁志 | 日本麻酔科学会麻酔指導医 日本集中治療医学会専門医 |
講師(医局長) | 干野 晃嗣 | 日本麻酔科学会麻酔指導医 日本集中治療医学会専門医 日本心臓血管麻酔学会専門医 日本神経麻酔集中治療学会指導医 |
講師 | 相川 勝洋 | 日本麻酔科学会麻酔指導医 日本区域麻酔科学会指導医 |
助教(診療講師)(病棟医長) | 藤田 憲明 | 日本麻酔科学会麻酔指導医 日本小児麻酔学会認定医 |
助教(腫瘍センター緩和ケア・リスクマネージャー・外来医長) | 三浦 基嗣 | 日本麻酔科学会麻酔指導医 日本緩和医療学会指導医 |
助教(感染対策マネージャー) | 久保 康則 | 日本麻酔科学会麻酔指導医 |
助教 | 糸洲 佑介 | 日本麻酔科学会麻酔指導医 日本集中治療医学会専門医 日本心臓血管麻酔学会専門医 |
助教 | 土岐 崇幸 | 日本麻酔科学会麻酔指導医 日本集中治療医学会専門医 日本呼吸療法医学会専門医 |
助教(臨床研究マネージャー) | 打浪 有可 | 日本麻酔科学会麻酔指導医 日本小児麻酔学会認定医 |
助教(サブリスクマネージャー) | 八木 泰憲 | 日本麻酔科学会麻酔専門医 日本心臓血管麻酔学会専門医 |
上記の他、複数の麻酔科専門医、認定医、その他専門医および研修医とで診療チームを構成
2022年度5,121件の手術が全身麻酔を中心とした麻酔科管理で行われました。
2022年度の外来患者数は5,517名でした。
対象とする疾患は帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛・神経障害性痛・腰下肢痛などでした。
2022年度には年間1,751回の高気圧酸素治療を行いました。
2022年度の入床患者は年575人でした。
平成28年度から、敦賀健吉を中心に、運営しております。