核医学診療科

当科ではバセドウ病、甲状腺分化癌、悪性褐色細胞腫、前立腺癌骨転移に対する核医学治療とPET、SPECT等を用いた核医学画像診断を担当しています。

概要

核医学治療

放射性物質または放射性物質で標識した薬を投与し、放射性物質からでるα・β線にて病変を治療する方法です。核医学治療の対象になるのは主に甲状腺分化癌、甲状腺機能亢進症、難治性の低悪性度リンパ腫、骨転移を有する去勢抵抗性前立腺癌の患者さんですが、当診療科では悪性褐色細胞腫の患者さんに対するI-131 MIBG治療も行っています。

診療時間(核医学治療外来)

水曜、金曜(午前9時~午前12時) 完全予約制です。
初診の方は当院の地域医療連携福祉センターを介してご予約ください。

核医学診断

核医学検査とはごく微量の放射性元素にて標識した薬を体内に注射し、その放射性同位元素から出るγ線を利用して患者に苦痛を与えることなく、目的臓器の形態・機能や全身の病変を一度に確認できるという大きな利点を有します。

PET

現在保険が適応されているPET検査のうち、当院ではFDG(フルオロデオキシグルコース)を用いて難治性てんかん、虚血性心疾患、心サルコイドーシス(疑いを含む)、悪性腫瘍(早期胃がんを除く)、大型血管炎を行っています。これらの疾患の病変の広がり、転移の有無や心疾患・血管炎病変をPET装置で画像化し、病気の診断、治療方針の決定のための重要な情報を得ることができるのです。

担当医師

職名 氏名 専門分野 所属学会・指導医・認定医など
画像診断学教室 准教授
核医学診療科長
(核医学診療科 病棟医長)
平田 健司 核医学診断・治療、AI(人工知能)、アプリ開発
日本医学放射線学会放射線診断専門医
日本核医学会核医学専門医
日本核医学会PET核医学認定医
アジア核医学専門医
助教(核医学診療科 外来医長) 渡邊 史郎 核医学、放射線診断学、腫瘍PET、内用療法
日本医学放射線学会放射線診断専門医
日本核医学会核医学専門医
アジア核医学専門医
教授(医学部保健学科) 加藤 千恵次 PET核医学、画像解析
日本核医学会専門医
日本医学放射線学会専門医
PET核医学認定医"

主な検査・設備

検査

F-18 FDG-PET/CTO-15 gas PET、脳血流シンチ、脳ドーパミントランスポータシンチ、甲状腺シンチ、副甲状腺シンチ、副腎シンチ、肺血流シンチ、肺換気シンチ、心筋血流シンチ、心筋交感神経シンチ、心筋脂肪酸シンチ、肝胆道系シンチ、肝GSAシンチ(アシアロシンチ)、消化管出血巣検索シンチ、腎動態・静態シンチ、骨シンチ、骨髄シンチ、腫瘍炎症シンチ、ソマトスタチンレセプターシンチ

 

治療

甲状腺癌・甲状腺機能亢進症に対するI-131治療、神経内分泌腫瘍に対するPRRT(ルタテラ®)、褐色細胞腫・傍神経節腫に対するI-131
MIBG治療、前立腺癌骨転移に対するRa-223治療

設備

ガンマカメラ 3台
SPECT/CTカメラ 1台
PETカメラ 3台

診療実績

甲状腺癌に対するI-131治療を年間約70症例、バセドウ病に対するI-131治療を年間約20症例、神経内分泌腫瘍に対するPRRT(ルタテラ®)をほぼ毎週投与、褐色細胞腫・傍神経節腫に対するI-131MIBG治療をほぼ毎月投与しています。PET検査は年間約2500件、PETを除く核医学検査は年間約5000件行っています。