1999年から7年間の準備期間を経て2005年3月に中央診療部門として設置されました。
院内では生命維持管理装置を中心としたさまざまな医療機器の保守点検・管理・操作・教育と、各診療科・部門・センターへの臨床技術提供を通じて医療機器の安全使用と効率的運用を図っております。
1996年に医療法施行規則が改正され医療機器の保守点検業務が外部委託できるようになり、医療機器の管理体制が新たな段階に進みました。材料部では1999年から、ME(Medical Engineering)機器の保守や修理業務の拡大が進められ、様々なME機器のメンテナンスと修理に対応できる体制が整備されました。当時、医療技術の高度化や安全管理の重要性がますます高まっており、特にME機器の増加とその複雑化に対処するため、より専門的な部門の設立が強く求められていました。
ME機器は医療の質と安全を左右する重要な要素であり、CEを中心とした専門組織の設立が急務とされ、材料部、血液浄化部、麻酔科、循環器外科(現心臓血管外科)、手術部、医療安全管理部など、専門分野のリーダーの支援のもと、ME機器管理センターの設立に向けた取り組みが本格化し、医療現場でのME機器の効率的な運用を支える強固な管理体制の構築が目指されました。
ME機器管理センターは2005年4月に正式に開設され、人工呼吸器などの生命維持管理装置が一元的に管理されるようになりました。中央集約的な管理体制が整備されたことにより、ME機器の稼働状況やメンテナンスの効率が飛躍的に向上し、定期的なME機器の点検を通じて、予防保全、早期対応が可能な体制が整えられています。また、新しいME機器の導入に際しては、安全性確認や使用前の操作方法のトレーニングを医療スタッフに提供することで運用をサポートしています。さらに、ライフサイクルとして導入から廃棄までの一貫した管理が行われており、適切なタイミングでの更新や修理が計画的に行われています。これにより、ME機器の効率的な利用が可能となり、コスト削減にも寄与しています。このように限られたリソースを最大限に活用するための基盤が整えられました。また、研修プログラムの提供を通じて、安全な使用と技術力の向上が図られ、病院全体のME機器管理の水準が向上し、患者の安全を守るための体制が一層強化されています。近年はIT技術として遠隔監視システムの導入の検討を進め、一部のME機器から稼働状況を監視し、異常が発生した場合に迅速に対応することも可能となっております。これからは、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)といった技術が進むため、リアルタイムな状態監視や予防保全とデータ解析が主流になると予測しております。これにより、ME機器の故障リスクが減少し、ダウンタイムを最小限に抑えることが可能になります。さらに、データ解析に基づいた最適な保守計画の調整や、遠隔診断技術の発展により、医療現場の効率化と安全性のさらなる向上が期待されています。ME機器管理センターはこれからも医療の安全と経済的な運営に大きく貢献していくことが求められており、医療の質の向上とコスト削減を両立するための重要な拠点としての役割はますます重要性を増しています。
現在、CEの3つのチーム体制で、ME機器管理センター、高気圧酸素治療室、手術部、光学医療診療部、臓器移植医療部、血液浄化部、ICU、救命救急センター、心臓カテーテル検査、心臓電気生理検査、外来等の各部署における診療と医療機器の操作および保守管理を担当しております。チーム内では、各業務にリーダとサブリーダを配置し、教育・研修を通じて質の高い医療を提供できるよう取り組んでおります。
各チームは、安全かつ確実な技術提供に努めると同時に、互いに業務をサポートしあっています。また、高度な技術を持つ外部委託医療機器技術スタッフとも協力し、医療機器の保守管理業務を行っています。
| 手術チーム | 手術部 | 心臓カテーテル 検査 |
電気生理検査 | ME機器管理センター人工呼吸療法 (材料部・臓器移植医療部) |
| 血液浄化チーム | 光学医療 診療部 |
高気圧酸素 治療室 |
血液浄化部 | |
| ICUチーム | ICU | 救命救急センター | ||
ME機器管理センターは、中央診療棟の地下1階に位置し、複数の施設が備えられています。その概要は以下の通りです。
医療機器の保守管理と臨床技術提供を中心に、CE業務の適正な運用と資質の向上に取り組みながら、患者様の安全と医療の普及・向上に貢献していくことを目指しておりますので、ご支援いただければ幸いです。
ME機器管理センター部長
(医療機器安全管理責任者)
太田 稔
ME機器管理センターは生命維持管理装置の操作と医療機器の保守点検を通じ医療の安全と普及及び向上に寄与します。



高気圧酸素治療装置 高気圧酸素治療室内 治療中の監視・環境調整

2025年10月時点で約6100台の医療機器を一元管理し、徹底した精度管理とともに、早期の異常検出および迅速な修理対応を実施しております。清掃・除菌による機器の清潔保持や終業点検および定期点検による機器精度の確保、異常発生時の原因究明と再発防止策の実施に加え、メーカーとの情報交換を通じた技術連携や、医療安全管理部と協働し安全教育活動を通じて安全意識の向上に取り組んでいます。また、新規採用機器や材料の試験・評価を行うとともに、医療機器に関する知識を院内に広く周知し、安全で効率的な医療環境の構築に努めています。
さらに、医用テレメータをはじめとする電波を利用する医療機器については、継続的な電波管理を実施し、電波状態を把握することで、安定した動作環境の確保に努めています。通信不良などのトラブル発生時には、迅速に原因を特定し対応できる体制を構築し、医療現場における安全で確実な電波管理の維持を図っております。

ME機器の点検 ME機器の修理 病院内の電波調査

日本臨床工学技士会
日本アフェレシス学会
日本医工学治療学会
日本移植学会
日本医療機器学会
日本高気圧環境・潜水医学会
日本生体医工学会
日本集中治療医学会
日本手術医学会
日本消化器内視鏡技師学会
日本心血管インターベンション学会
日本人工臓器学会
日本心臓病学会
日本体外循環技術医学会
日本大腸肛門病学会
日本透析医学会
日本不整脈心電学会
日本肝移植学会
IEEE (Institute of Electrical and Electronics Engineers)
臨床工学技士
臨床検査技師
認定医療機器管理臨床工学技士
認定集中治療臨床工学技士
不整脈治療専門臨床工学技士
血液浄化専門臨床工学技士
呼吸治療専門臨床工学技士
高気圧酸素治療専門臨床工学技士
手術関連専門臨床工学技士
心・血管カテーテル関連専門臨床工学技士
内視鏡関連専門臨床工学技士
集中治療専門臨床工学技士
第1種ME技術実力検定
第2種ME技術実力検定
臨床ME専門認定士
透析技術認定士
日本アフェレシス学会認定士
3学会合同呼吸療法認定士
高気圧酸素治療専門技師
心血管インターベンション技師
植込み型心臓デバイス認定士
JHRS認定心電図専門士
体外循環技術認定士
人工心臓管理技術認定士
周術期管理チーム臨床工学技士
小腸カプセル内視鏡読影支援技師
消化器内視鏡技師(旧第一種内視鏡技師)
FCCS(Fundamental Critical Care Support)
BLSプロバイダーコース
ACLSプロバイダーコース
第1種滅菌技師
医療情報コミュニケータ
医療情報技師