手術部では消化器外科、循環器外科、整形外科、泌尿器科、耳鼻咽喉科・頭頸部外科、産婦人科、脳神経外科、皮膚科、形成外科、眼科などから口腔外科までの外科系診療科のみならず消化器内科、循環器内科、血液内科、精神科など内科系診療科を含む全部で24診療科の手術が行われています。
高度・先進的な医療として肝臓移植、腎臓移植、心臓移植、骨髄移植なども行われる一方で、外来通院での局所麻酔手術まで、北海道大学病院の入院患者さん、外来患者さんのあらゆる手術を行っています。
この北海道大学病院手術部は、手術件数では年間8,000件をこえ、患者さん、医師・歯科医師、看護師、臨床工学技士、放射線技師、薬剤師、医学生などが出入りし、入院患者さんの約半数の方々が外科手術を受ける部署であります。
麻酔科医師をはじめとした外科系各診療科医師・歯科医師、手術介助にあたる手術部看護師ほか約80名の手術部スタッフが一致団結し、患者さんの立場に立って毎日の手術を安全に行えるよう、日々安全管理と感染管理に努力を続けております。
手術部は、安全で良質な医療を提供するために、各職種の専門性を活かしたチーム医療を行います。また、手術が必要な患者さんを随時受け入れるために、効率的な運営を行います。
昭和38年4月に「中央手術部」が北大病院に設置されました。それまでの北大病院の手術は、第一外科、第二外科、眼科が“外科手術室”をつくり、整形外科、泌尿器科、皮膚科が“共同手術室”を組織しており、それぞれに、各科の医師や看護師が集まり手術を行っておりました。
中央手術部の設置は検査部とほぼ同じくし、昭和40年3月には材料部、昭和41年4月には輸血部が順次設置されました。中央手術部設置4年後の昭和42年4月には「中央」が取られ、「北大医学部附属病院手術部」に改称され、平成3年11月に至りICUがようやく稼働を始めました。平成15年医学部附属病院と歯学部附属病院との統合により、「北海道大学病院 手術部」に改称され、現在に至っております。
手術部では、手術を行う医師、看護師、技師、手術を受ける患者さん、それ以外にも様々な人が出入りし、緊張が続く中、職員は一丸となって患者さんの外科治療を遂行すべく努力を続けている病院の重要な部門の1つであります。さらには、骨髄移植ドナーの骨髄液採取やその他の内科的処置や検査等で麻酔が必要なときにも利用されています。
北海道大学病院の入院患者さんの約半数がこの手術部を通過することになります。患者さんを中心に手術を行う診療科の医師、手術を支える麻酔科医師・看護師・臨床工学技士・放射線技師・薬剤師などが参加しチーム医療が展開されます。その他、手術機材の洗浄員、手術室の清掃員などの外部委託業者や、医事課職員、および外部から医学部学生、看護学生、専門学校生や医療機器メーカーなどが来棟しています。
この外科治療には安全管理(患者・手術部位の確認、ガーゼ遺残防止など)はもちろんのこと、スタンダードプレコーションの概念を含めた感染管理の徹底が要求され、米国のCDCからのガイドラインに基づく新しい感染管理の提言が浸透されつつあります。また、厳粛な個人情報の管理も計らなければなりません。
北海道大学病院手術部における全手術件数は7,981件(平成26年度)、8,167件(平成27年度)、8,160件(平成28年度)と推移しております。眼科をはじめとした局所麻酔手術の比率は全体の約4割です。また、平成22年の改正臓器移植法執行後には脳死ドナーからの肝臓、腎臓移植手術も多く行われております。
手術室は平成24年6月に3室増築して17室となりました。増加した3室のうち1室は最新のハイブリッド手術室で血管造影、CT撮影、複雑な透視を併用して手術が施行されます。他の2室は、増加する局所麻酔による眼科手術に使用されております。既設の手術室の内2室は空気清浄度の高いバイオクリーンルームで人工関節の手術などに使用され、また2室は急速冷却可能な設備を有しており、循環器外科手術などに使用されております。また4室で室内を陰圧へ切り替えが可能で感染症手術へ対応しております。平成25年にはダ・ヴィンチ手術装置も導入されました。北海道大学病院手術部は、北海道の手術治療の最後の砦として日々の努力を積み重ねております。
(文責:手術部 髙橋 典彦)