核医学診療科

当科ではバセドウ病、甲状腺分化癌、悪性褐色細胞腫、前立腺癌骨転移に対する核医学治療とPET、SPECT等を用いた核医学画像診断を担当しています。

概要

核医学治療

放射性の薬を体内に投与し、薬から放出されるα線やβ線で病気を治療。核医学治療の対象になるのは甲状腺分化癌、甲状腺機能亢進症、前立腺癌の骨転移、神経内分泌腫瘍、褐色細胞腫や傍神経節腫等です。

診療時間(核医学治療外来)

水曜、金曜(午前9時~午前12時) 完全予約制です。
初診の方は当院の地域医療連携福祉センターを介してご予約ください。

核医学診断

放射性の薬を体内に微量投与し、薬から放出されるγ線を利用して、臓器の機能や全身の病気の状態を画像で診断することができます。核医学診断には、下記のPETとSPECTとがあります。

PET

現在保険が適用されているPET検査のうち、当院ではFDG(フルオロデオキシグルコース)、フルテメタモール(商品名ビザミル)、フルシクロビン(商品名アキュミン)、O-15ガスを用いたPET検査を実施しています。FDGは悪性腫瘍(早期胃がんを除く)、難治性てんかん、虚血性心疾患、心サルコイドーシス(疑いを含む)、大型血管炎が検査適応となります。フルテメタモールは認知症(ただし条件があります)、フルシクロビンは神経膠腫、O-15ガスは脳血管障害が検査適応となります。
これらの疾患の病変の広がり、転移の有無や心疾患・血管炎病変をPET装置で画像化し、病気の診断、治療方針の決定のための重要な情報を得ることができます。

SPECT

脳血流、心筋血流、肺血流、肝機能、腎機能、その他多くの機能を測定したり、骨転移などの病気の状態を画像で評価したりすることができます。

担当医師

職名 氏名 専門分野 所属学会・指導医・認定医など
画像診断学教室 准教授
核医学診療科長
(核医学診療科 病棟医長)
平田 健司 核医学診断・治療、AI(人工知能)、アプリ開発
日本医学放射線学会放射線診断専門医
日本核医学会核医学専門医
日本核医学会PET核医学認定医
アジア核医学専門医
助教(核医学診療科 外来医長) 渡邊 史郎 核医学、腫瘍PET、内用療法
日本医学放射線学会放射線診断専門医
日本核医学会核医学専門医
アジア核医学専門医
医員 竹中 淳規 核医学、放射線診断学、腫瘍PET、内用療法  
教授(医学部保健学科) 加藤 千恵次 PET核医学、画像解析
日本核医学会専門医
日本医学放射線学会専門医
PET核医学認定医"

主な検査・設備

検査

F-18 FDG-PET/CT、フルテメタモールPET、フルシクロビンPET、O-15 gas PET、脳血流シンチ、脳ドーパミントランスポータシンチ、甲状腺シンチ、副甲状腺シンチ、副腎シンチ、肺血流シンチ、肺換気シンチ、心筋血流シンチ、心筋交感神経シンチ、心筋脂肪酸シンチ、ピロリン酸シンチ、肝胆道系シンチ、肝GSAシンチ(アシアロシンチ)、消化管出血巣検索シンチ、腎動態・静態シンチ、骨シンチ、骨髄シンチ、腫瘍炎症シンチ、リンパシンチ、ソマトスタチンレセプターシンチ

 

治療

甲状腺癌・甲状腺機能亢進症に対するI-131治療、神経内分泌腫瘍に対するPRRT(ルタテラ®)、褐色細胞腫・傍神経節腫に対するI-131
MIBG治療、前立腺癌骨転移に対するRa-223治療

設備

ガンマカメラ 3台
SPECT/CTカメラ 1台
PETカメラ 3台

診療実績

甲状腺癌に対するI-131治療を年間約70症例、バセドウ病に対するI-131治療を年間約20症例、神経内分泌腫瘍に対するPRRT(ルタテラ®)をほぼ毎週投与、褐色細胞腫・傍神経節腫に対するI-131MIBG治療をほぼ毎月投与しています。PET検査は年間約2500件、PETを除く核医学検査は年間約5000件行っています。