北海道大学病院整形外科(北大整形外科)における側弯症治療には70年以上の長い歴史があり、現在でも北海道内で最大の症例数を扱っています。診断から装具治療、手術治療に至るまで世界最高レベルの診療体制を構築しています。
毎週火曜日8時00分~10時30受付
担当医師:須藤英毅、山田勝久、大西貴士
側弯症のなかで最も多いタイプであり、10歳以降の思春期を迎えた女性に多く発症します(約50人に1人)。30度未満であれば定期的な経過観察を行い、30度から45度位までの側弯は、年齢や、からだ全体のバランス、身長の伸びやレントゲン上の骨成熟度、女性であれば初潮を迎えた時期などから慎重に装具治療の必要性を判断します。さらに、45度から50度を超えるようになると手術治療を選択することが多くなります。よく相談を受ける「整骨院」や「ぶら下がり健康器」などによる矯正は不可能であり、効果は全く期待できません。
装具は主に3種類あり、カーブの位置などをもとに判断し、完全オーダーメイドにより作成します。側弯症の装具治療に熟知した義肢装具士が作成し、完成後も定期的な修理、調整を行います。

脊柱変形に対する矯正手術は、整形外科の中で最も難易度の高い手術のひとつとして位置づけられています。北大整形外科は世界的な手術治療施設に挙げられており、国内外から多くの見学者を受け入れています。手術は毎週行っており、その優れた臨床成績について世界的に評価の高い英文専門誌に論文を数多く発表してきました。以下に代表的な手術法について説明いたします。
カーブの頂点が胸椎に位置していたり、S字状に弯曲して腰椎にもカーブがあるものが適応となります。背中の真ん中から背骨に到達し、椎弓根スクリューなどの金属性インプラントを使用して変形を矯正します。手術後は7~10日程度で自宅退院し、装具は不要となります。当科では、世界に先駆けて脊柱を解剖学的な状態に限りなく矯正できる革新的な手術法(4D解剖学的脊柱再建術)やインプラントを開発しており(日米特許取得)、世界最高水準の治療成績を挙げています。

カーブの頂点が腰椎に位置する場合に適応となりますが、カーブパターンによっては後方法を選択する場合もあります。前方法では、肋骨に沿って背骨の側面に到達して矯正します。後方法に比べて短い範囲で固定が可能であり、当科の金田清志第4代教授が開発したインプラントは米国FDA(食品医薬品局)に認可され、世界的な普及に貢献した歴史があります。後方法、前方法どちらであっても手術1か月前から北大病院輸血部で自分の血をあらかじめ貯血(自己血貯血)し、手術中に出た血も回収して再利用する(術中回収血輸血)ため、他人の血を輸血することはほとんどありません。

早期発症側弯症:10歳未満に発症するため、最初から固定はせずに年2回程度、矢印の所を延長する手術を成長が終了するまで続け、最後に固定術をします(growing-rod法)。

先天性側弯症:半椎とよばれる余剰椎(➡)により側弯や後弯が進行します。余剰椎を完全に取り除きます。

その他、様々な疾患にともなう特殊な側弯症(症候性側弯症)に対する治療も行っています。
