子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの普及と定期的な子宮頸がん検診、早期治療によって死亡のリスクを減らすことが可能だと考えられています。日本でも、2013年4月にHPVワクチンが定期接種の対象となりましたが、ワクチン接種後に長引く広範囲の痛みやしびれ、運動機能の低下などの多様な症状が報道されたことをきっかけに、同年6月には積極的勧奨が差し控えられました。その後、「多様な症状」に関する研究が世界的にも行われるようになり、HPVワクチン接種に関連した重篤な副反応の発生は、およそ10万接種あたり3回程度であることが明らかとなりました。そのため、2022年4月からHPVワクチンの積極的勧奨が再開されました。
北海道大学病院では、2014年に「HPVワクチン副反応支援センター」を開設し、HPVワクチン接種後の多様な症状について、複数の診療科が協力して、総合的に対応できる体制を整えています。当センターでは、小児科、整形外科、脳神経内科、麻酔科、児童思春期精神科、リハビリテーション科、リウマチ・腎臓内科、眼科、婦人科などが協力して診察、検査を行い、適切な対応と支援を行います。
HPVワクチン接種後に副反応が疑われる症状が現れた場合は、まず接種した医療機関にご相談ください。接種した医療機関(あるいはワクチン接種後の症状を診察した医療機関)を通して北海道大学病院へ紹介して頂きます。また、道内の協力医療機関へ紹介して頂くことも可能です。
受診日は紹介状が届いてから、おおよそ2週間後になるとお考え下さい。より適切な治療、対応方法を決めるために、既に行われた検査であっても、念のため再度行うこともありますのでご了承くださいますようお願いします。
保険診療となります。
予防接種健康被害救済制度の対象となる場合がございます。申請に必要となる手続き等については、予防接種を受けられた時に住民票を登録していた市町村にご相談ください。
所属 | 氏名 |
婦人科 | 渡利 英道 |
婦人科 | 山崎 博之 |
小児科 | 植田 佑樹 |
脳神経内科 | 松島 理明 |
整形外科 | 佐藤 大 |
児童思春期精神科 | 齊藤 卓弥 |
リハビリテーション科 | 向野 雅彦 |
麻酔科 | 黒川 達哉 |
リウマチ・腎臓内科 | 加藤 将 |
眼科 | 董 震宇 |
令和6年6月30日現在
厚生労働省は、積極的勧奨の再開に際して「ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種に関する相談支援・医療体制強化のための地域ブロック拠点病院整備事業」を立ち上げました。本事業の目的は、HPVワクチン接種後に生じた多様な症状を呈する患者に対して、より身近な地域において適切な診療を提供するため、都道府県単位で協力医療機関を選定し、協力医療機関を中心とした診療体制の整備を図ることです。当センターは北海道のブロック拠点病院に指定されており、皆様により安心してHPVワクチンを接種して頂けるように、正しい情報の発信にも努めています。
2022年度の活動
10月27日 行政機関向け講演会
11月1日 ポスター・チラシの作成、道内の医療・教育機関への配布
12月20日 医療従事者向け講演会
2月9日 教育機関向け講演会
2023年度の活動
8月 ポスターの作成、道内の医療・教育機関等への配布
6月29日 健康キャンパス北大にて講演
8月7日 子宮頸がん予防講演会(岩見沢市)
9月25日 道内大学、大学保健センター向け講演会
9月27日 北大病院職員向け講演会
2月8日 道内教育機関向け講演会
3月3日 市民公開講座(札幌市)
研修会、出前講義などを希望される場合、当センターとの診療連携を希望される場合には、こちらへご連絡ください。
北海道大学病院 医療支援課地域医療連携係
hpvsoudan@huhp.hokudai.ac.jp
子宮頸がん予防ワクチン接種後に症状が生じた方に対する相談窓口については、地域ブロック拠点病院整備事業北海道ブロックのホームページもご覧ください。