栄養管理部

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ごあいさつ

栄養管理部は平成18年に事務部から独立して病院長直属の一部門として再出発しました。
平成20年2月新厨房が完成しこれまで以上に衛生管理を強化することで、より安心・安全な食事作りが可能となりました。
今後ますます活躍の幅を広げて頑張りたいと思います。

栄養状態の評価と栄養管理

医師、看護師とともに作成する入院診療計画書において特別な栄養管理の必要性「あり」と判断された場合や栄養学的問題が存在する患者さんの栄養管理計画書を作成しています。

 

入院診療計画書および栄養管理計画書における栄養状態の評価要因

入院から2週間ごとに再評価が行われます。
この他にも、疾患や治療による栄養学的リスクを評価し、栄養管理を行います。

看護師 栄養士
入院時の問診 栄養学的問題 栄養管理の必要性判断基準
食事行動に影響を与える因子
食事量の変化
栄養・代謝に影響を与える疾患
栄養状態低下(血清総たんぱく等)
体重の変化
入院時身長
入院時体重
入院時BMI
・義歯の有無
・栄養摂取方法
・食事制限の有無
・食事回数・摂取時間
・食事量
・水分量
・水分制限の有無
・偏食
・栄養代謝に関する薬剤の使用
・浮腫
上記の赤字にチェックがついた場合に
栄養管理の必要性ありと判断される。
BMI:低値および高値
(入院時体重kg/身長m2)
・17.5未満およびBMI 30以上
(小児・学齢児はそれぞれ
カウプ指数・ローレル指数を使用)
血液データ:低値および高値
(Hb:ヘモグロビン、S-Alb:血清アルブミン、
S-Cr:クレアチニン、S-UN:尿素窒素)
・Hb:10.5g/dl以下
・S-Alb:3.2g/dl以下
・S-Cr:1.5㎎/dl以上
・S-UN:30㎎/dl以上
・特別治療食摂取 ・特別治療食の指示
・食物アレルギー対応の指示

身体計測

身長、体重に加え、必要時には、体成分分析(キャリパー、アディポメーター、BIA(生体電気インピーダンス法))による栄養評価を行います。

栄養相談

入院・外来患者を対象に栄養相談を実施しています。当院では患者さんの病態に合わせて糖尿病や腎臓病、肥満症、がん、心疾患等多種多様に対応しています。特に個別相談を多く実施しており、プライバシーに配慮し、より個々人にマッチした指導が可能です。また、教育入院(糖尿病・腎臓病)の指導も行っています。入院から外来への移行、その後外来での継続指導も行っており、血液データや体成分測定と食事摂取状況を合わせてその効果を確認します。指導希望日時は患者さんのご都合に合わせて調整可能です。

栄養相談実績(令和2年度)

合計3355件(個人指導3330件、集団指導25件)

疾患名 件数
糖尿病食 1,669
腎臓病食 510
肥満症食 305
がん患者 198
心臓疾患食 179
無(低)菌食(造血細胞移植) 64
低栄養状態にある患者 62
肝臓・胆のう疾患食(肝炎・肝硬変、ウィルソン病等) 58
術後食 53
胃・腸疾患食(胃・十二指腸潰瘍・クローン病) 46
脂質異常症食 44
高血圧食 37
その他(口腔・咽頭・食道疾患・食欲不振・摂食・嚥下機能が低下した患者・膵臓疾患・先天性代謝異常症等) 130

※当院では、緩和ケアチームに管理栄養士が参加し、個別の患者の症状や希望に応じた栄養食事管理を行っています。

糖尿病教室

糖尿病教育入院スケジュール(栄養士担当分)

1回目 2回目 3回目 4回目 5回目
栄養相談 お食事会 スタッフカンファランス バイキング 栄養相談

 

実習生の受け入れ、講演会などの栄養教育

《令和2年度実績》

    • 実習・研修受け入れ
      • 栄養士および管理栄養士免許取得のための実習
      • 日本臨床栄養代謝学会NST専門療法士臨床実地修練研修
        本年度は新型コロナウィルス感染症拡大に伴い、実習生・研修生の受け入れを中止しております。

 

  • 講演会・講習会・出版・学会発表等
    • 地域市民や医療者、学生を対象に、院内及び院外でのセミナーや研修会での講師を行っています(本年度は実施しておりません)。その他に学会発表や雑誌への投稿、レシピ提供などを実施しています。

NST(栄養サポートチーム)について

主治医から原疾患の治療に対する支持療法として、栄養管理法や栄養評価法、低栄養改善、周術期栄養管理、創傷治癒等への相談が必要と判断された患者様に、NST(栄養サポートチーム)が介入を行います。NSTでは、医師・歯科医師・管理栄養士・薬剤師・看護師・臨床検査技師・言語聴覚士・理学療法士・歯科衛生士等各専門職種からの意見を集合して、患者様に適した栄養管理プランを作成し、きめ細やかに状態を観察します。定期カンファレンス、ラウンドによるフォローを行っています。

入院食の提供

給食業務は給食委託会社と提携しています。

食事の種類

病態や形態を考慮した食種を用意しています(43食種 158パターン)。

《主な食種の紹介》

  • 一般食
    特別な食事療法を必要としない食事です。
    常食(幼児(前期・後期)食・学齢児(前期・中期・後期)食・成人食(3段階のエネルギー設定)・妊産婦食、軟菜食(3分粥食、5分粥食、7分粥食、全粥食、小児軟菜食)、流動食(重湯食)、各種ハーフ食、口腔・咽頭・食道疾患食(やわらか食・ペースト食・ミキサー食)、摂食・嚥下障害対応食、緩和ケア食
  • 特別食
    栄養成分と病態に応じた食事の選択が可能です。
    エネルギー調整食、脂質調整食、たんぱく質調整食、透析食、低脂質食、胃潰瘍・十二指腸潰瘍食、炎症性腸疾患食、貧血食、無菌食、低菌食、術後食、先天性代謝異常症食
  • 調乳
    一般調整粉乳と特殊調整粉乳(低出生体重児、ミルクアレルギー、乳糖不耐症、脂質吸収障害対応)があります。
  • 離乳食
    前期、中期、後期、完了期の4段階の離乳食(調乳との併用も可)から選択可能です。
  • 術後食
    重湯食~米飯食までの段階食とハーフ食、消化器系術後の分食も対応可能です。
  • 経管・経口栄養食
    栄養成分と病態に応じた栄養剤を各種採用しています。
  • 検査食
    腸管検査食、ヨード制限食、18F-FDG PET 検査(炭水化物5g未満制限食)があります。
  • 食待ち食
    検査等で、提供時間内に食事を召し上がることのできない場合に提供しています。

栄養管理部スタッフについて

病院職員と給食委託会社職員で、栄養管理ならびにお食事の提供を行っています。

  • 病院スタッフ(栄養管理全般、施設・設備管理)計10名
    医師1名(栄養管理部長)、管理栄養士7名、嘱託職員2名
  • 給食委託会社スタッフ(給食業務全般、委託会社名:エームサービス)計140名(令和3年4月現在)支配人、管理栄養士、栄養士、調理師、調理・洗浄スタッフ

医療専門性資格所有者数について

栄養管理部スタッフ 資格一覧 取得者数
管理栄養士 7
日本糖尿病療養指導士 4
日本病態栄養学会・病態栄養認定管理栄養士 3
日本病態栄養学会・がん病態栄養専門管理栄養士 3
日本臨床栄養代謝学会・NST専門療法士 2
日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士 1
日本病態栄養学会・がん病態栄養専門管理栄養士研修指導師 1
日本栄養士会・静脈経腸(TNT-D)管理栄養士 1
日本心臓リハビリテーション学会・心臓リハビリテーション指導士 1

令和3年4月現在

栄養管理部の取り組み

栄養管理部は、2015年から文部科学省および国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)によるセンター・オブ・イノベーション(COI)STREAMに参加し、入院患者に対する満足度向上や栄養状態改善、地域一般市民への健康増進や疾病予防を目標とした『笑顔食』プロジェクトに取り組んでいます。

  • YouTubeによるレシピの配信

COVID-19感染拡大により対面式の講演や実習の取り組み継続が困難となりました。今後は、さらに多くの方に見ていただけるよう、YouTubeを利用したおいしく食事が楽しめる健康レシピの配信を行っていきます。

 

究極の健康レシピ(本)
  • 出版

生活習慣病(メタボリックシンドローム、高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症)の改善を目的とした、レシピ本『北海道大学病院のおいしい健康ごはん』(2015年8月 北海道新聞社)を出版いたしました。健康診断での異常値の見方や疾患に対する食事療法の基本、ワンポイントアドバイス、患者さんからの質問に答えるコーナーなどレシピ以外も充実した内容となっています。

  • アイスクリーム

低栄養状態改善の一助として、通常の2.5倍量タンパク質を含むアイスクリーム『うしからもらったアイス』を株式会社セコマ・北海道大学産学・地域協働推進機構 FMI推進本部と共同開発しました。 今後ますます健康管理に役立てるよう努力していきたいと思います。

  • いつのまにか減塩の取り組み

【記者会見】北海道大学病院から発信!国民の“いつのまにか減塩”食をめざして

  • 食塩不使用パンを開発いたしました

~食のブランド北海道が提案するSDGsをめざした低塩ロールパンの販売~

【塩を加えずに焼き上げたパンシリーズ第二弾】2種の豆パンを発売します!

  • マインド食(MIND DIET)の開発

マインド食は、脳の老化を遅らせる食事法としてアメリカで考案されました。このたび、2023年10月に開設を予定されている、北海道大学病院パーソナルヘルスセンター(PHC)の先行企画として取り組み始めました。マインド食の普及や啓蒙活動を北海道大学 産学・地域協働推進機構と連携・協働して、レストランや企業と商品の開発や販売を行っています。

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